「マルディグラ」和知徹さんがラーメンをつくったら?


香味あふれる味はシルクロードを超えて
ムンムンラムの混ぜ混ぜそば

ラーメン屋をやろうかと思うほど、昔はよく食べました」と和知徹さん。好きなラーメン屋に、渋谷「喜楽」や京都「第一旭」を挙げるあたりに、食べ手としての歴史を感じる。「スタンダードなんだけど、オリジナリティを感じます。それと、昔かたぎの親父が黙々とラーメンを作っているような店が好き」と和知さんのラーメン話は止まらない。

今回、京都の水炊きからヒントを得た鶏白湯スープも考えたそうだが、フレンチから発信するラーメンとして、ラグーをベースに、新たなジャンルとして人気が高い〝混ぜそば〞にチャレンジしてくれた。

混ぜそばは、和え麺、油そばなどともいわれ、いわゆるスープのないラーメンのこと。タレ、油、具などを、ゆで上げた麺に和えて食べる。東京を中心として人気が高まり、専門店も登場するなど、もはやラーメンのジャンルとして定着しつつある。

肉とスパイス、そして香菜 和知テイスト満載の一杯

ベースになるラグーは、羊の肩肉と、タマネギ、ニンジン、セロリなどの香味野菜と一緒に、羊のブイヨンと白ワインで煮込んだもの。黒コショウとクミンを乾煎りしたパウダーを加え、エキゾチックな風味を付加している。もうひとつのソースは、羊のブイヨンを煮つめたところに赤ワインと少量の醤油を加えて、やや酸味のある味わいに仕上げている。

麺は、強力粉に卵黄だけを加えて打った卵麺を使用。ゆで上げた麺を器に盛ったら、羊のラグーソースをかけ、エシャロットのフライとたっぷりの香菜をのせる。羊の赤ワインソースをかけ、黒コショウとクミンのパウダーをふって仕上げた。

よく混ぜて食べると、羊の旨味とスパイシーな香りが麺にからまり、揚げたエシャロットの食感と香菜のクセのある風味も混然一体になって、エキゾチックな味わいが口いっぱいに広がる。肉とスパイス、そして、香菜の大胆な使い方に和知テイストがあふれている。

和知さんの厳選素材!
インド・ケララ地方の黒コショウ

インド南部のケララ州で産出される黒コショウは、刺激の強い香りがあり、辛味の中に感じられるフルーティーさが特徴。和知さんは、友人から譲ってもらって以来、香りのよさが気に入って使用している。

マルディグラ 和知 徹さん
1967年兵庫県生まれ。調理師学校卒業後、(株)ひらまつ傘下のレストラン、広尾「レストラン・ヒラマツ」、六本木「アポリネール」を経て、98年、銀座「グレープ・ガンボ」の料理長に就任。2001年にオーナーシェフとして「マルディグラ」をオープン。

マルディグラ
東京都中央区銀座8-6-19
野田屋ビルB1F
☎03-5568-0222
●18:00~0:00LO
●日休
●予算 10000円

本記事は雑誌料理王国212号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は212号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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