本誌「料理王国」2022年12月号でもご紹介した、アンデス高原豚を使った絶品料理の数々。
ウェブでも、せっかくなら手順を動画でも知ってほしいとYouTubeでも公開します。ぜひご覧ください!
2016年、東京・神保町の細い路地にオープン。ひっそりとした佇まいながら、店主・黒須太一さんのストイックなまでの愛情が投入されたラーメンで人気の店だ。
そんな黒須太一さんがアンデス高原豚で作ってくれたのは「雲白肉(ウンパイロウ)」。「通常の店舗メニューにはありませんが…」と前置きして「ラーメンには焼き豚がつきものです。なので、ラーメン屋は豚肉料理に意欲的なんです」と取り組んでくれた。
「雲白肉」は文字どおり、豚肉のカット面が白い雲のように見えることが名前の由来。バラ肉は、鶏スープ、ネギ、生姜と一緒に真空パックで8時間半、86℃の低温で調理する。常温で冷まし、スライサーで8㎜に切る。
こうしてできあがった雲白肉は脂をうま味として肉に閉じ込め、しっとりとジューシー。茹でるとせっかくの脂やうま味がとけ出てしまうが、真空パックでは保湿状態が保てるのだ。
「アンデス高原豚は繊維質が細かく、肉の色味もいいですね」と黒須さん。「雲白肉」は盛り付けも大事だ。花を思わせるよう、豚肉をずらしながら広げて置き、中央にはキュウリの薄切りをふんわりと盛る。こっくりとコクのある甘辛いジャン醤油を乗せ、豚肉にはさわやかな辛みの自家製ラー油を回しかければ完成だ。豚肉のうま味を多方面から味わえる一品に仕上がった。
ラーメン店での修業を経て、新聞配達をしながらテレビ番組のラーメン店店長オーディションに出演。最終2名まで残ったものの落選したが、夢を諦めきれず、2016年自らの店舗「神保町 黒須」オープン。瞬く間に人気店に。
東京都千代田区神田神保町3-1-19
10:30〜15:00
日休
https://jinbochoukurosu.net
text:羽根則子 photo:小沼祐介