車力門 ちゃわんぶ だしにとろみ、合わせる野菜、肉の良さを生かす工夫が詰まった「京風かつ重」

東京都内でも屈指の美食エリアとして知られる四谷・荒木町。ここに旬の素材を駆使した和食が堪能できる割烹があり、店名はそのまま、2019年にとんかつ専門店として再開。今回、アンデス高原豚のロースを使って披露してくれたのは「京風かつ重」だ。

本誌「料理王国」2022年12月号でもご紹介した、アンデス高原豚を使った絶品料理の数々。
ウェブでも、せっかくなら手順を動画でも知ってほしいとYouTubeでも公開します。ぜひご覧ください!

アンデス高原豚の優しい味に揃えて、京風のおだやかなだしで作るかつ重。
合わせる素材、調理工程、一つひとつがしっかりと考え抜かれている。

東京都内でも屈指の美食エリアとして知られる四谷・荒木町。ここに旬の素材を駆使した和食が堪能できる割烹があり、店名はそのまま、2019年にとんかつ専門店として再開。今回、アンデス高原豚のロースを使って披露してくれたのは「京風かつ重」だ。

ロースは、150g に切り分け、叩いて柔らかくし、筋を切る。このとき、肉に塩・胡椒などの下味を付けない。
「アンデス高原豚はおだやかな味わいです。その良さを生かすために、京風の優しい味でベクトルを揃えます」と武澤剛志さんはその理由を語る。
そうして、小麦粉、溶き卵、パン粉を付ける。パン粉はざっくりと粗いもの、中程度のもの、細いものと3種類をブレンドして使用。米油で、とんかつよりもやや高め、5分弱の短時間でしっかりと揚げる。豚とカツオ、薄口醤油の京風だしを熱し、九条ネギの白い部分を入れ、サクッと揚がったとんかつを置き、溶き卵を流し入れたら強火にして一気に炊く。

半熟になったら九条ネギの緑の部分をのせてさっと熱を入れご飯の上に移す。だしに葛粉を溶き、三つ葉を加え、薄い膜が張るぐらいでかけ、山椒をふったらできあがりだ。ひと口ごとに豚肉のしっかりした歯応えと味わい、ふくよかなだしと卵、ネギと三つ葉の香りが一体となって広がっていく。

アンデス高原豚のロース肉はこう使う!

車力門 ちゃわんぶ だしにとろみ、合わせる野菜、肉の良さを生かす工夫が詰まった「京風かつ重」
150gに切り分け、脂の筋を取る。
150gに切り分け、脂の筋を取る。
肉をやわらかくするため、ミートハンマー、なければ麺棒で叩いて、1.5cm弱の厚さにする。
肉をやわらかくするため、ミートハンマー、なければ麺棒で叩いて、1.5cm弱の厚さにする。
小麦粉、溶き卵、3種類のパン粉で衣をつけ、通常のとんかつよりも高めの温度、短い時間でしっかりと揚げる。
小麦粉、溶き卵、3種類のパン粉で衣をつけ、通常のとんかつよりも高めの温度、短い時間でしっかりと揚げる。
武澤剛志

武澤剛志

1977年神奈川県生まれ。新橋「京味」で修業し、荒木町に割烹「車力門 ちゃわんぶ」開店。2017年末に閉店し、大門「くろぎ」で腕を振るった後、19年、とんかつ専門店「車力門 ちゃわんぶ」として再び荒木町に開業。

車力門 ちゃわんぶ

車力門 ちゃわんぶ

東京都新宿区荒木町3-22 島ビル1F
TEL 03-3356-1680
11:00~14:00、
18:00~20:30LO
水休

text:羽根則子 photo:小沼祐介


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