ヴェネツィアが最初の修業先であったため、前菜はアドリア海の幸の盛り合わせからスタートする。この時、魚介類の半端な部分が残る。これらの食材を活用すべくミートソースの要領で魚介のラグーにした。ラザーニャ生地は 1 日 60~ 100 個のラヴィオリを抜いた残りの生地を集めて、再度薄くのばしたもの。食材を無駄にしないところから生まれたものだ。
「このポイントはラザーニャ生地とベシャメルソースと魚介のラグーの三つを同等の塩分にすることです」
実はボローニャ風ラグーは作り方を少し変えた。「牛ひき肉とハンバーク用の肉だねを作り、二つを半々ずつ合わせて炒めるやり方です。こうすることでパサつきが抑えられます」。
食べ継がれてきたのには意味がある。だから味はブレずに改良し続ける。「伝統料理ほど難しいものはないですね」。
シェフからの一言アドバイス
ラザーニャは茹でたら一瞬、冷水に浸けます。その後、必ずトーションの上に置いて、トーションで水分を丁寧にふき取ってください。濡れたままにしておくと、生地から塩分が抜けて、仕上がりが違ってしまいます。
■ 魚介のラグーのラザーニャ
ラザーニャ生地……6枚
ホワイトソース……280ml
魚介のラグー……260g
グラーナ・パダーノ(粉)……90g
黒コショウ……適量
バター(無塩)……適量
茹で汁用の塩……適量
作り方
■ 魚介のラグー
材料(作りやすい分量)
魚介類……500g(車エビの尾、ヤリイカのエンペラ、帆立貝のヒモ、タコなど前菜に使った魚介類の残り)
ソフリット……大さじ1
ローリエ……1枚
トマトペースト……15g
白ワイン……大さじ3
オリーブ油……大さじ3
水……900ml
作り方
■ ホワイトソース
材料
バター(無塩)……60g
中力粉……40g
牛乳……800ml
塩……小さじ1
ナツメグ……適量
黒コショウ……適量
西口大輔(にしぐち だいすけ)
1969年生まれ。「カピトリーノ」𠮷川敏明シェフの下で修業をしたのち93年に渡伊。ヴェネト州、ロンバルディア州で修業。「サドレル」(ミラノ)ではパスタシェフに就任。帰国後、「ヴォナ·ヴィータ(現在は閉店)」でシェフとして活躍。 2000年に再び渡伊。ロンバルディア州パヴィーアのリストランテ「ロカンダ·ヴェッキア·パヴィーア」で5年間シェフを務める。帰国後06年に現店をオープン。オーナーシェフに就任。
ヴォーロ・コズィ
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12:00 ~ 15:00(12:30LO) 18:00 ~ 22:00(19:30LO)
月曜定休
text 飯島千代子 photo 海老原俊之
本記事は雑誌料理王国2020年8・9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年8・9月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。