利便性でも費用面でもメリットの多い「ヤマトフードマーケット」には、上記の3本柱以外にも特筆すべき点がある。たとえば厳選食材の生産者の顔が見えること。ホームページには生産者のこだわりや食材の特長が明記されている。なかでも、今が旬の宮城県「奥松島産 極上殻付き旨牡蠣」は、イチ押しの注目食材。弾力ある食感と深い味わいが好評で、その理由を生産者はこう語る。
「奥松島産の牡蠣は、養殖のスタイルがほかとは少し違うんです。まず松島側の潮の流れがゆるく、淡水と海水が混じりあう内湾から育て始めます。しかも台風などの影響を受けにくいため、牡蠣種がしっかりと根付くのです。さらに、そのあとが奥松島産ならではの養殖法で、牡蠣を栄養となるプランクトンが豊富な沖へと移します。そうすることで、身がより大きくなって締まりもよくなるのです」
奥松島が牡蠣の養殖に適した場所であることはもちろんだが、これに生産者の努力と工夫が加わることで、ほかとはひと味違う牡蠣の養殖に成功しているのだ。
こうした生産者の努力は、そのほかの旬の食材にも見られる。群馬県前橋市にある「KABA FARM」の寄居カブもそのひとつで、この農園では、すべての野菜を栽培時農薬・化学肥料不使用で栽培。こだわって育てられた寄居カブは、甘味が強いうえ、ギュッと詰まった肉質で煮崩れしにくいのが特徴だ。カブ以外に、まだ市販されていない珍しい野菜の栽培にも力を入れているという。
一方、長年ひとつの野菜だけを手掛けている農家もある。北海道の「大坂農場」は、1975年の創業以来、ずっとユリネと向き合ってきた。その品質を支えているのが、昔ながらの手作業を守り続ける姿勢だ。ユリネならではの甘味とホクホクした食感は、料理人自慢のひと皿をよりグレードアップしてくれること間違いなしだ。