漲る!地方食材「やまと花びらたけ」


味覚と健康を同時に満たす大和に咲いた奇跡のキノコ

奇跡的な発見だった。1995年、大和菌学研究所の藤本水石さんが、三輪山を散策中、ハナビラタケを発見。1000m以上の高地に生息するはずのハナビラタケが、300mほどの三輪山のふもとに生えるとは、パワースポットとして有名な場所だけに、神がかった話だ。

キノコ研究を本職とする藤本さんは、ハナビラタケを持ち帰り、培養と研究を繰り返して、通年栽培を可能にした。当初は、粉末にした健康食品として販売していたが、食味のよさから食材としての販売にも着手するように。奈良県のオリジナル品種として「やまと花びらたけ」という名前をつけた。現在は、そうめんやパスタなど、加工食品の開発にも積極的に取り組んでいる。

β-グルカンの含有量の多さから、健康食品としての注目を浴びているが、食味のよさについて、水石さんの長男、大道さんは次のように言う。「食感や香りもさることながら、食べたとき、最後に感じる﹃後味』に優れていて、旨味の伸びがいいんです。単体では個性が弱いかもしれませんが、他の食材と合わせたときに、味に深みを出し、お互いの個性を引き出す効果もあります」。

笠の開いた状態のほか、つぼみの状態でも販売している。また、粉末に加え、ピュレ状にしたものなど、バリエーションも増加中。粉末を小麦粉に混ぜ込んだそうめんは、一般的なそうめんに比べ、モチモチ感のある食感になるという。

花びらのような美しい形を生かした盛り付けはもちろん、生地への練り込みなど、用途の幅は広い。

華やかな形と透明感のある白さが美しい、やまと花びらたけ。

【はなびらたけ】

ハナビラタケ科ハナビラタケ属のキノコ。日本では、北海道から関東地方の亜高山地帯(1700~2500m)に生息する。夏から秋にかけて、マツやモミなどの切り株や枯幹の根元に発生するが、野生種は非常に珍しい。花びら状に波打った形と透き通った白さが特徴で、食味としては歯ごたえがよく味にクセがない。多種のキノコに比べ、β-グルカンの含有量が圧倒的に多く、健康食品としても高く注目されている。β-グルカンは、多糖類のひとつで、免疫力を向上させ、ガン還元作用やC型肝炎にも効果があるといわれている。国内数社で人工栽培に成功し、健康食品としての加工品も多く流通している。

大掛達也・文 飯田徹・写真

本記事は雑誌料理王国2011年4月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2011年4月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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