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医師が説く!日本人はもっと、牛肉を食べた方がいい

医師が説く!日本人はもっと、牛肉を食べた方がいい

良質のタンパク質をいかに摂るか
日本人は、もっと牛肉を食べたほうがいい

日本機能性医学研究所 所長 斎藤糧三先生

「日本人こそ、もっと牛肉を食べるべき」。斎藤糧三先生は肉食を提唱し、糖尿病や高血圧などの慢性疾病に悩む人々を、機能性医学の知識で救う。「人類は250万年前から肉食でした。小麦などの穀物が主食になったのは、およそ1万年前にすぎません」。日本に稲作が伝来したのは、たかだか何千年前のこと。「そう考えると、日本人の食生活も、もとは肉食だったと言えます」。

日本機能性医学研究所 所長 斎藤糧三先生
Ryozo Saito
美容皮膚科治療、栄養療法などを統合したアンチエイジング理論を確立。2008年日本機能性医学研究所設立。13年一般社団法人日本ファンクショナルダイエット協会設立。近著『慢性病を根本から治す「機能性医学」の考え方』(光文社新書)。

 私たちが体内で合成しにくいビタミンAの存在が、それを裏づけている。今までは緑黄色野菜のβ‐カロテンを摂れば、ヒトは体内でビタミンAを合成できると考えられていたが、2008年の欧州の研究で、ヒトのビタミンA合成能力は極めて低いことがわかったのだ。「つまりヒトのからだは、肉などの動物性食品からビタミンAを摂るのが前提となっていると結論付けられたのです」。

タンパク質を摂ることでよくなる病気もある

 ヒトが古来、肉を摂ってきたのは、肉が良質のタンパク源だったからだ。皮膚や骨、筋肉、臓器などすべてがタンパク質でできている。しかし人類は、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、必須アミノ酸と呼ばれる9種類を体内合成できない。ゆえに必須アミノ酸を含む肉を食べることが重要になるのだ」。毎日体重あたり男性60グラム、女性50グラムのタンパク質を摂りましょうというのが、厚労省が2015年に設定した基準です」。

しかし日本人はそれに全く達していない。一般的な体重の人なら、計算上では1日に500グラムの良質な牛肉を食べなければ理想に近づけないのだ。

牛肉を食べることのメリット

タンパク質を多く含む食品の中で、 アレルギーが出にくい
乳製品や卵、魚介類は、タンパク質が豊富だが、 アレルギーを起こしやすい。

ビタミンB群が豊富に含まれる
栄養素の代謝に関わるB群を摂取できる。

ミネラルが豊富に含まれる
良質な鉄分と細胞の新陳代謝にかかわる 亜鉛を摂取できる。
※なかでも、牧草だけを食べて育った「牧草牛」は、良質な脂質であるオメガ3を豊富に含んでいる。

 斎藤先生が特に牛肉を推薦する理由は複数ある。ひとつは、牛肉にアレルギー反応を示す人が少ないこと。ふたつめは、ビタミンAやB群をバランスよく含むこと。そして、亜鉛や鉄分などのミネラルも豊富であること。これらは、うつ病の予防にも効果的で、明るく前向きな生活を送るのに欠かせない栄養素だ。「痩せて健康になりたいならば、カロリーを重視するのではなく、『糖質』のカットこそが重要」とも説く。米やパンなど糖質が多い食事を続けると、インスリンが大量に分泌される状態が続き、体脂肪の蓄積を促す。

糖質を減らし、脂肪が燃焼する際に肝臓で生成される「ケトン体」を増やすことを目指すダイエット方法は、「ケトジェニック・ダイエット」と呼ばれ、美容に気を使う女性だけでなく、慢性疾患の人々を救ってきた。「このダイエットは肉が主役だからこそ、こだわりたいのが肉の質です」。斎藤先生は、人類が野生牛を食べていた時代のように、牧草で育った赤身肉を食べるのが自然だと言う。牧草牛は、やはり私たちが体内で合成できず、炎症を抑える働きのある必須脂肪酸オメガ3を含む。一方でサラダ油や大豆油が、関節痛や動脈硬化を起こすリノール酸やトランス脂肪酸を多く含んでおり、摂りすぎが危険視されていることは、周知の通りだ。

次世代の医療のリーダーが提唱する〝牛肉のススメ〟。それは、さまざまに常識が覆る近年において、医療の世界でも新しい発見があるという、進歩を象徴している。

ニュージーランド産 シルバー・ファーンが食べられる店【ジョイスヴィンテージ】

ジョイスヴィンテージ
ニュージーランド牧草牛のリブアイ
リブアイは200g 2380円。50g増すごとに600円プラスで、好みの量をオーダーできる。大分県産の甘い醤油をつけてさっぱりと食べる。

青山の中心で、翌5時まで営業している「ジョイスヴィンテージ」には、斎藤先生監修のステーキや低糖質メニューがある。「品質の高いシルバー・ファーンの牧草牛はリブアイを選び、200gから50g単位で出しています」とシェフの安部翔太さん。「はじめてのお客さまは200gから頼まれますが、次からは300g以上になるんです。特に希望がなければレアでお出ししていますし、肉質がさっぱりしているのでたくさん食べられます」。200℃以上になる鉄板に、ココナッツオイルをひいて焼き上げている。

ジョイスヴィンテージ

ジョイスヴィンテージ
東京都港区南青山5-8-5 Gビル南青山 B1F
03-6433-5557
● 11:30~翌5:00
● 年中無休
● 45席
http://joyce-vintage.co.jp/


横田典子=取材、文 富貴塚悠太、星野泰孝=撮影
text by Noriko Yokota photos by Yuta Fukitsuka,Yasutaka Hoshino

本記事は雑誌料理王国第256号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第256号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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