「ロオジエ」
東京都中央区銀座7-5-5
TEL 03-3571-6050(営業日の10:00 ~ 21:00)
12:00 ~ 13:30LO、
18:00 ~ 20:30LO
日月休 祝不定休(夏季・年末年始休あり)
https://losier.shiseido.co.jp/
約50年の歴史を誇る「ロオジエ」で2013年からエグゼクティブシェフを務めるオリヴィエ・シェニョンさん。東京で腕をふるうフランス人シェフは、日本の食材でどのようにフランス料理にアプローチしているのかを聞いた。
島原産ジオあわびのバターポッシェ
香味野菜と燻製うなぎのフォンダン
山椒のアクセント
潮の香りのバルバジュアン
鮑の肝を入れたサバイヨンソース
長崎から直送される4年ものの鮑。小さくて固いフランスの鮑とは比べものにならないというシェニョンさん。昆布とわかめのみをエサとする鮑は肝まで澄んだ潮の香りがするという。
Chefのこだわり
素材探しの旅
シェニョンシェフは新しい素材との出合いを常に求めている。オマール、ピジョンなどフランス産の食材も一部あるが、8割は国産を使っている。島原産ジオあわびも現地で見つけた逸品だ。「時間と機会があれば、素材を探しにどこにでも行きたいですね。長崎では鮑のほか、種取り有機無農薬野菜、地鶏、カラスミなど良質な素材に出合い、刺激を受けることができました」と話す。日本の滞在歴も10年を超え、どの食材がいつ旬を迎えるか、「この魚は日本海で獲れたものだから冷たい海水で身がより引き締まっている」といった食材への知識も深まっている。
甘鯛のうろこ焼き さやいんげんのフィル
甘酸っぱいオニオンと紅芯大根
キャロットのエキューム“ピカンテ” ソースジャンジャンブル
ロオジエのシェフになってから使い続けている山口県萩産の甘鯛。身が締まり過ぎていないのでうろこ焼きのパリパリ感がいっそう引き立つ。そしてやはり「潮の香り」が十分な点もシェニョンさんのお眼鏡にかなった。
シェフに質問!
Q 日本滞在歴は?
A のべ13年
Q あなたにとってすごい日本の食材は?
A ノドグロ、クエ、キンキ、ハタ、ミル貝、ツブ貝…魚介類はどれも素晴らしい!野菜なら、皮が薄くて柔らかいナス、フランスのものより甘いカブ、京人参や紅芯大根も好き。
Q 日本人の好みや食文化で気づくことは?
A 鰻と山椒など、和食独自の組み合わせなども興味深いし、「めでたい」に引っ掛けて鯛を食べるなど、魚に込められた意味もわかってきた。
Q ロオジエでしないことは?
A 醤油、出汁、ワサビなど、外国人にわかりやすい日本素材は使わない。それと、お客様に料理の細かい説明はしない。食べて、感じてほしい。
Q 食材を選ぶときにすることは?
A まず味を見る。そして和食ではどんな使い方をするかも聞く。似たような調理法をしたくないから。
Q あなたのフランス料理を ひとことで表現するなら?
A 伝統的、クラシックという言葉は嫌い。革新的なフレンチ。
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text 松野玲子 photo 長瀬ゆかり
本記事は雑誌料理王国2020年5月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年5月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。