「独立するなら絶対バル。バルなら絶対、路面」。スペインのバルとサッカーをこよなく愛する今村真シェフがオープンした「バルマコ」は、牛込神楽坂駅から徒歩2分の大久保通り沿いにある。店に入るとスタンディングバーが出迎え、勢いよく奥に伸びる木目の長いカウンターが目に入る。立って一杯、座ってじっくりと、と自由なスタイルで楽しめる。
「できるだけ敷居を低くして、ふらっと一杯、立ち寄れるバルを神楽坂に作りたかった」。しかし“ふらっと”にしては、出てくるタパスがまた旨い。その秘密は約2年に1回のバスクへのタパスの旅。現地で「美味しい」と思ったものは材料だけを聞いて、あとは日本で組み立てる。
「それでも日本人の口に合うようにと意識することはありません」。目指すのは、あくまでも現地で食べた“あの時の旨さ”。「赤ピーマンの詰めもの サルサビスカヤ」には、ソースとバランスがいいのではと芝エビを加えた。「できるだけ本場の味に近づけますが、僕はスペインで修業しているわけではないので、自然に日本人の口に合うようになるのかも」。今村シェフを通して表現されるスペインの味とバルマコのライブ感の調和で、スペインワインが「もう一杯」飲みたくなる。
◦詰めもの
バカラオ( 塩ダラ)…100ℊ/芝エビ…20尾/オリーブオイル…適量/タマネギ…中1/2個/ピーマン…3個/ニンニク…1かけ分(みじん切り)/ジャガイモ…中1/2 個/ベシャメルソース…200ℊ/ピミエントス・チョリセロスのペースト…小さじ3/パン粉…適量/塩…少々
◦サルサビスカヤ
タマネギ…中1/2 個/芝エビの殻…30 尾分/ブランデー…適量/ニンニク…1かけ分(みじん切り)/オリーブオイル…適量/小麦粉…大さじ1 /甘口パプリカパウダー…大さじ1 /水…300㏄/ピミエントス・チョリセロス…小さじ6/バター…5ℊ/生クリーム…適量
◦仕上げ、盛り付け
ピキージョピーマン(スペイン産赤ピーマン、炭火で焼いて皮をむいてある瓶詰。適当な大きさのものを使用)、イタリアンパセリ(みじん切り)、エクストラヴァージンオリーブオイル、辛口のパプリカパウダー…各適量
スペイン料理店「エル・カミーノ」(飯田橋)で16年間シェフを務めた後、2011年に「バルマコ」をオープンして4月末でまる3年が経った。
バルマコ
Bar Maquó
東京都新宿区細工町3-16 北町ビル1F
☎03-3266-5741
● 18:00 ~ 24:00
●月、月1回日曜、年末年始休ほか
●タパス400円~
●カ ウンター10席、
テーブル4席分が2テーブル
※テーブルチャージ400円
料理王国=取材、文 大野利洋=撮影
本記事は雑誌料理王国238号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は238号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。