2024年12月3日
フードロスの削減や伝統的な地域食文化の再発見など、食を通した社会課題への取り組みが注目される近年。そんな潮流の表れの一つとも言えるのが、レストラン自家製の調味アイテム。食材を無駄にせずに使い切り、未知なる美味しさを表現する、シェフのアイデアをご紹介します。
銀座4丁目交差点の一角を占めるビルの7階、窓の外の正面には和光の時計塔――そんな銀座のまさに中心に位置するレストラン「ラルジャン」。加藤順一さんは、同店が2020年にオープンした時からシェフを務める。
加藤さんは「タテル ヨシノ」や「オテル・ド・ヨシノ」でクラシックなフランス料理を習得してから渡仏。モダンフレンチの「アストランス」で働いた。さらに北欧の現代的なレストラン数店でも2年にわたり経験を重ねた。
そんな加藤さんは今、店で発酵、塩漬け、酢漬け、パウダーなどさまざまな自家製のアイテムを作っている。ただし加藤さんは「今、北欧から広がる形で、レストランでの発酵調味料作りが世界でブームになっています。でも、目指す味作りにおいてそれが本当に必要なのか、常に自問することが大切。私もそれを欠かさないようにしています」と言う。
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text: Izumi Shibata photo: Hiroyuki Takeda