イタリア料理の本質とは何か?人気シェフ6人によるトークセッション(前編)


CHEF’S TALK SESSION

岩坪:イタリア料理は郷土料理といわれますが、イタリアにイタリア料理というものはなく、郷土料理の集合体を我々日本人がイタリア料理と総称しているわけですよね。なので、イタリア料理の本質は「郷土料理とは何かを考えること」で見えてくると思っています。イタリアでは、教会の鐘が聞こえる範囲の中で生活をし、そのコミュニティ内でお互いを思いやる精神を「カンパニリズモ」と呼びます。つまり、生活圏内で手に入る食材を使ってシンプルに調理し、ありったけの愛情を込めて作った料理が、イタリアの郷土料理だと僕は思います。 もちろん、時代ごとに手に入る素材は変化していきます。昔はトマトもジャガイモもイタリアには存在しませんでしたしね。だからトマトが入る前の時代の料理も含めてイタリアの郷土料理として捉えないと、おかしなことになってしまうと思います。

後藤:イタリア料理の本質とは何かを考えたとき、岩坪さんがおっしゃったカンパニリズモという言葉が僕の頭の中にも浮かびました。郷土料理って、作ろうと思って作ったものではなくて、各土地の風土や文化が組み合わさって必然的にできた料理の集合体ですからね。そこに本質があると思います。


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