コロナで、外で飲む機会は減りましたが、家で飲むなど、飲むこと自体がなくなったわけではなりません。
収束したらしたら、これまでの“つきあい飲み”は少なくなって、“気のおけない人と楽しく飲む”は増えるかもしれませんね。
今回は、飲むにまつわる英語表現をお届けします。
日本語で“飲む”と言った場合、暗黙の了解で“お酒を飲む”を表すことが少なくありません。
これ、英語でも同じです。
drinkの一言で、“お酒を飲む”を意味することがよくあります。
このdrinkという言葉、名詞として“(お酒を)一杯”でも使われます。
Go for a drink?
Grab a drink?
Are you up for a drink?
この3つ、いずれも「一杯飲みましょう」という意味で、会話などで登場するカジュアルなフレーズ。
“a drink(一杯)”がきいていて、「軽く一杯どう?」といったニュアンスが感じられ、日常のシーンでよく使われます。
Fancy a drink?
同じく、「飲みに行かない?」を意味するイギリス的な表現です。
fancyは“◯◯したいな”という、とてもカジュアルな言い方です。
軽く飲んでいい気分、ついつい飲み過ぎちゃって……、酔い加減はいろいろですね。
英語では、このように言います。
「I’m buzzed(ほろ酔いです)」
「He looks tipsy(彼、ちょっと酔ってるみたいね)」
“ほろ酔い”はbuzzed、tipsyと言います。
「I’m drunk(酔っ払っちゃった)」
“酔っ払う”はdrunkで表現します。
動詞のdrinkの過去分詞でもあり、この言い回しに「お酒に飲まれちゃった」というニュアンスを感じるのは、私だけでしょうか。
「She’s wasted(彼女、ベロベロだなぁ)」
「I was so trashed last night(昨日、へべれけになるまで飲んじゃった)」
wasted/trashedで“泥酔する”を意味します。
wasteは“ムダ”、trashは“ゴミ”を表す言葉で、“(酔っ払い過ぎて)使い物にならない”といった意味合いを持ちます。
“二日酔い”はhangover。
I’m hangover.
I have a hangover.
で、「二日酔いだよ」となります。
飲んだからといって、必ずしも酔っ払うわけではありませんよね。
飲んでも普段と変わらないときはこう言います。
「I’m sober(しらふだよ)」
まったく飲んでいない状態のときも、この表現は使えます。
soberにupを伴うと“酔いが醒める”“酔いを醒ます”の意味。
「I’m sobering up(酔いが醒めできた)」
「You have to sober up(酔いを醒まさないとね)」
といった具合に使います。
世の中、お酒を飲む人ばかりではありません。お酒が弱い人や飲まない人もいますよね。
“お酒が弱い”は“弱い”に引きずられて、weakと思ってしまいそうですが、シンプルに本質を表現すればOK
(weakで間違ってはいませんが、病院とのやりとりのようなニュアンスが漂います)。
I can’t drink much.
「あまり飲めません」→「お酒、弱いんです」になる、というわけです。
同じ考え方で、
I can’t drink.
で、「飲めません」→「下戸です」となります。
ちなみに、お酒は英語でalcohol。
発音はカタカナ語の“アルコール”ではなく、“アルコ(カ)ホール”が近く、hをしっかり発音するのが肝です。
お酒を表す、よく使われる砕けた言い方で、booze(ブーズ)もありますよ。
Staying (at) home(ステイホーム)でdrinking at home(家飲み)もいいですが、外で気兼ねなく飲みたいものですね。
文=羽根則子
イギリスの食研究家&フードダイレクター/編集者/ライター。出版編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、2000年渡英。2007年英国クッカリーコース修了。菓子をはじめ、ワインや料理、フードビジネスなど、伝統から最新のフードシーンまで、イギリスの食事情についての企画、監修、寄稿、情報提供、講座・イベント講師を務める。