「豚肩ロースの白味噌煮」で使う部位は肩ロース。旨みを活かすため、脂を残して一口大に切る。出汁に白味噌を溶き、ささがきにしたゴボウ、次いでカットした肩ロースを入れる。ゆっくり火を入れ、九条ネギ、なめこを入れる。仕上げに七味唐辛子をふるのは、とろとろとやわらかい味わいにアクセントを与え、味を引き締めるため。やわらかくも歯切れのよい豚肉は存在感がある。
「富士幻豚」は煮込んでもかたくならないので、求める歯応えが表現できるという。「豚肩ロースの白味噌煮」ではとろみが持ち味。白味噌やなめこを使うのは味だけでなく食感の役割も大きい。乳製品を使わない和食で、三科さんが見出した答えだ。
「豚の生姜焼き風」は食欲がそそる一品。家庭でもおなじみの生姜焼きを和食へと応用した。この料理で登場する部位はロース。肉の味わいがちゃんと感じられるよう2㎜の厚さにスライスして使う。丸ごと蒸して甘みをしっかり引き出したタマネギをペーストにして火にかけ、すりおろしたショウガ、濃口醤油を加える。スライスしたロースを入れ、漬け込むようにしながら火を通す。仕上げは山椒の葉の粗みじん切りで一気に爽やかな印象に。ここにも和食店ならではのエッセンスが光る。
蓮 三四七
東京都中央区銀座7-3-13 ニューギンザビルB1F
TEL 050-3138-5225
ランチ12:00~
ディナー18:00~24:00
日月祝休
https://ginza-ren.jp
text: Noriko Hane photo: sono(bean)
本記事は雑誌料理王国319号(2021年12月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は319号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは、現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。