レシピ初公開!フランス人のお菓子の原点「ベルランゴ飴」を知っていますか?


フランス人の「お菓子の原点」
幼い頃がよみがえる、思い出の味

 夏の演劇祭で賑わうアヴィニョンから北東25キロメートルに位置するカルパントラは、ヴァントゥ山の麓でトリュフが豊富に採れるグルメな町として知られる。

 この小さな町に、有名なコンフィズリーとパティスリーがある。ひとつは、ピラミッド形をした縞模様のベルランゴ飴の店、コンフィズリー・デュ・モン・ヴァントゥだ。カルパントラでは、果物をシロップに漬けて作る保存菓子フリュイ・コンフィ作りが盛んだが、その余ったシロップを再利用して作られたのがベルランゴ飴で、19世紀初頭に生まれたといわれる。ミントのエッセンスを加え、消化不良や船酔いに効く薬としても人気があったそうだ。

 オーナーのティエリーさんは、今も手作りでこの飴を作っている飴職人。「3世代続くコンフィズリーの家に生まれ、手作りのDNAが僕の中に流れていますから、工場での大量生産はしたくない」と職人気質を守る。今も、最終工程以外は手作業だ。現在はミント味だけでなく、イチゴ︑ラベンダー、レモンなど南仏ならではのフレーバーも作っているが、香料も着色料も天然にこだわり、やさしい味わい。毎日100キログラムの飴が工房で作られている。

【レシピ】ベルランゴ飴 Berlingots de Carpentras

白い縞模様と三角錐の形がベルランゴ飴の特徴。

材料

グラニュー糖…7kg
グルコース…5kg
水…2ℓ
天然香料…適量
天然色素…適量

作り方

1. 水、グラニュー糖、グルコースをいっしょに火にかける。
2. 高温温度計をさし、160℃になったら火からおろし、大理石などの板の上に取り出す。

銅製の鍋を用い、直火で水、砂糖、グルコースを煮て、混ぜる。
160℃になった段階で、冷たいテーブルの上に取り出す。

3. 火からおろしたら、すぐに天然香料と色素を加えて混 ぜる。
4. 一部を別にし、壁に取り付けた頑丈なフックで飴を引いて白くする。少量の場合は手で。

香料と色素を加え、ステンレス製のヘラで混ぜる。
煮詰めた砂糖の一部を丸めてつり下げ、引いて白くする。

5. 白くなった飴を細長くのばす。
6. 飴本体の上に、 5をのせ、縞模様を作る。

このくらい白くなるまで引く。それを細いヒモ状にする。
ヒモ状にした白い部分を、飴本体のかたまりに付け加える。

7. 縞の部分を外側にして、丸める。
8 細長く引き延ばし、三角形にカットする。

白い縞の部分ができたら、縞を外側にし、全体を丸める。
ねじりながら細長く引き延ばす成形の機械に入れる。
三角錐になるようカットして、飴を冷ます。

Confiserie du Mont Ventoux
ティエリー・ヴィアルさん Thierry Vial

伝統的なベルランゴ飴を継承する飴職人。昔ながらの手作りの製法にこだわり、カルパントラのアトリエで3人のスタッフとともに、自然派の飴やヌガーなどを作り続けている。

本記事は雑誌料理王国第229号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第229号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


SNSでフォローする