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成功店に学ぶ 成功の新法則「ギャロガレージ」


夕方から深夜まで、食べ盛りの20代からシニアまでがひしめき合い、週末は予約が取れない人気ぶり。神戸を代表する肉ビストロ「ギャロ」は、系列の3店すべてが坪月商30万円を超える大繁盛店だ。集客の秘訣は原価率45パーセントを投じたお値打ち感と、賑やかでエキサイティングな雰囲気。約40品のメニューのうち、肉料理が30品という専門化も、目的のある来店を後押ししている。

1号店のオープンは2013年3月。4年でここまでの店に育て上げた川添義人さんは、最新店の「ギャロガレージ」に「やりたかったことを全部詰め込んだ」と語る。「若い人にもステーキの味を知ってほしいので、既存店よりもカジュアルな業態を目指しました。深夜まで営業して、同業者も集客します」

国産骨付き熟成肉のTボーンステーキ1300円/100g~(1kg~。写真は1kg)。3日前までに要予約。常温の肉をグリルの炎で焼き上げてから、表面のみフライパンでカリッと仕上げる。迫力のステーキと塊肉メニューは13品。

開業時は資金が少なかったこともあり、ほぼ居抜き物件でのオープン。2号店「バンガロー」は繁華街から少し離れた一軒家で、1階はインダストリアル、2階はフレンチアンティークをテーマに内装を考えた。そして3店目のテーマは「スカル」と「オッパイ」。メタリックでロック、ゴシックホラーな雰囲気も感じられる、およそ飲食店らしくない内装だ。「ターゲット層を考慮すれば、むしろこの内装がゲストを呼ぶと踏んだんです。狙ったのは『エロいけど下品じゃない』ラインですね」

アンティークショップで見つけたトルソー型のビアサーバーから店内のイメージを広げた。

考え抜いた厨房配置でオペレーション効率をアップ

もうひとつ、3店目ならではの工夫は厨房設備にある。バーカウンターを作って厨房とドリンクエリアを切り離し、配膳台との境目をふさがないことで客席から炎が見えるようグリルを配置。厨房、ドリンクとホールを各々ひとりで回せるように動線を考え抜いて構築していった。「本当は薪で肉を焼きたいのですが、物件の条件で無理なので、グリルにしました。バーカウンターも初の試みです。19坪ある店舗面積を効果的に利用して、厨房にはセントラルキッチン機能も備えました」

必要な機器は3店分のシャルキュトリ等を仕込むためのスチコン。前菜は仕込んでおいた料理を切るだけ、盛るだけのツーオーダーとし、営業中の調理は肉を焼き、付け合わせのポテトを揚げることが中心。そこで、動線上邪魔にならない一番奥にスチコンを設置し、フライヤー、コンロ、グリル、作業台を一直線に並べた。

次の目標は物販事業の拡大だ。既に東京の百貨店などで催事出店も経験しており、テイクアウトや通販も視野に入れている。「マルチチャネル化で塊肉業態の可能性を広げたい」と、川添さんは意欲的だ。

フライヤー、コンロ、グリルを一直線に並べて、配膳台前に作業台を配置。ストッカーや営業中使用しないスチコンは一番奥に。

成功の新法則

ユニークな内装で「空間」を楽しめる店に
飲食店らしくないとも言える「ギャロガレージ」の過激な内装。料理だけでなくデザインや訴求力のあるビジュアルにこだわり、空間作りに力を入れる。

オペレーション効率を追求
キッチン、バーカウンター、ホールを効率よく回せるよう、設計段階から工夫する。

Yoshito Kawazoe
1976年愛媛県出身。大阪のイタリア料理店を経て、神戸「バール アブク」で料理長を5年、系列の「バルストロ」で店長を2年務める。2013年3月に「ビストロ ギャロ」開業。15年6月に2号店、16年12月に3号店をオープン。

藤田アキ=取材、文 川瀬典子=撮影

本記事は雑誌料理王国275号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は275号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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