鶏肉の唐揚げは店でも家庭でも定番。それが中華のシェフの手にかかったら、複雑で深みのあるごちそうに。
鶏肉に下味を付けてから冷蔵庫の中で「一夜干し」にすることで、旨みがぎゅっと凝縮する。
調味料の選び方から「揚げ」で水分を飛ばすテクニックまで、目からウロコの技が満載だ。
創業17年となる「空心」。本格的な中国料理をベースにしつつ、常に新しいセンスを取り入れて作る料理は、遠方からわざわざ訪れる常連客がいるほどの人気を博している。「FOOVER」のYoutubeで最も再生数が多い大澤広晃さんが、手羽先の唐揚げを伝授する。
手羽先は、揚げたときに骨が出るように関節の内側を切る。塩と砂糖、カスタードパウダーをまぶし、皮目を上にしてバットに並べて、ラップをせずに冷蔵庫で一晩寝かせる。「水分が飛ぶので、凝縮した旨みが出てカラッと仕上がります。ちょっと手間ですが味が格段に変わりますよ」冷蔵庫から取り出したら、肉から出た水分を拭き取って中の骨を出す。
「食べるときに持ちやすいように、というちょっとした心遣い」なのだとか。たっぷりの油を160℃に熱して肉を入れ、温度が均一になるように鍋をゆすりながら揚げる。いったん取り出し、空気に触れさせてさらに水分を抜く。180℃強の油で再びさっと揚げ、水分が飛んだらすぐに引き上げる。別の鍋ににんにくを入れて熱し、唐辛子を加えて香りを出す。
香菜の根とレモンの甘酢漬けを入れて片栗粉でとろみをつけたら、揚げた鶏肉を絡める。甘み、酸味、辛みと塩味。複雑な味がまとまって極上の唐揚げに。
大阪府大阪市西区新町1-21-2 1階
TEL 06-6532-7729
ランチ 火~金11:30~14:00(売切次第終了) ディナー 8:00~21:30(L.O.20:30)
定休日:月曜
http://kuushin.com
本記事は雑誌料理王国282号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は282号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。