中国料理の達人に学ぶ【医食同源】。広東料理「故宮 」の佛跳墻(ファッチュウジャン)!


「医食同源」の基本となる考え方や食材、スパイスなどを、中国、そして韓国の料理から学びます。今回は、大阪・ウェスティンホテル大阪の中国・広東料理「故宮 」王 憲生さん

旬の食材の効果を把握した調理法で病気にならない体を作るのが料理人

中国の伝統料理である佛跳墻ファッチュウジャンは、調理に数日をかける高級素材の蒸しスープ。今回紹介するのは、王憲生さんの佛跳墻の中でもスッポン、鹿の角、烏骨鶏など滋養強壮に効果的な食材を使った、とびきり贅沢なスペシャリテ。多くの乾物を使うが、中でも干しアワビは、高度な調理技術が必要な食材だ。10種の食材を、長時間炊いた肉類のスープに加えて、さらに5時間蒸すのが王さん流。

王さんは〝医食同源〞をこう語る。「塩・糖・油を控えた料理が最も健康的。美味のためには素材選びが重要。おいしく食べて健康な体を作る、この両立が大事です」

例えば夏は瓜で体を冷やす。理にかなった旬の食材を食べれば、自ずと健康に近づく。王さんのコンセプトは、それらを把握して適切に調理することにあるのだ。

佛跳墻(ファッチュウジャン)。伝統的な高級料理を独自にアレンジ。金華ハム、鶏などを長時間炊き上げた濃厚なスープに、スッポン、干しアワビ、鹿の角など10種の具材を加えて5時間蒸す。
佛跳墻(ファッチュウジャン

伝統的な高級料理を独自にアレンジ。金華ハム、鶏などを長時間炊き上げた濃厚なスープに、スッポン、干しアワビ、鹿の角など10種の具材を加えて5時間蒸す。

丁寧に戻した乾物類から出るだしは絶品!滋養強壮に効果的な10種の食材を使用。

「病気を治すのが医者、病気にならない体を作るのは素材を選び、最適な調理ができる料理人。医者を花とするなら、日々の食生活を支える料理人は根です。花より目立たないけど偉いんだよ(笑)」

だしの具材もすべて食べられる。医者いらずの体は料理人の知識と技がつくるのだ。

佛跳墻は滋養強壮に効果的な10種の食材を使用。干しアワビは岩手県で秋に獲って天日で乾燥したものを厳選し、1週間かけて戻す。クコの実、ナツメ、鹿の角などは薬膳料理でもポピュラーな素材。滋養に富んだ烏骨鶏とスッポン、丁寧に戻した乾物類から出るだしは絶品で、具材としてもすべて食べられる。

【医食同源】のポイント
スッポンの下処理は怠りなく

すべての要素が溶け出すため、下処理が重要。乾物は水に漬けた後、蒸して戻す。活スッポンはおろして皮をむき、苦味の元となる脂肪を取り、油通しをした後、ゆでて臭みを抜く。

王 憲生Wong Hing Sang
1954年生まれ中国天津出身。
香港での修業を経て日本へ。神戸、京都、大阪で経験を積み、1999年ウェスティンホテル大阪 中国料理「故宮」料理長就任。ミシュランガイド発刊以来、大阪の中国料理で唯一の一ツ星を連続獲得中。

中国料理 故宮

中国料理 故宮
大阪市北区大淀中1-1-20 ウェスティンホテル大阪3F (新梅田シティ内)
06-6440-1065
●11:30~15:00(14:30LO) 7:30~22:00(21:30LO)● 昼4200円~、夜コース9000円~
● 無休
● 98席(個室2室含む) http://www.westin-osaka.co.jp/

藤田アキ=取材、文 畑中滕如=撮影

本記事は雑誌料理王国第255号(2015年11月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第255号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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