中国料理の達人に学ぶ【医食同源】。北京料理「全聚徳 銀座店 」の北京ダック!


《北京ダックの油は融点が14度と低く、滋養強壮や美肌効果も期待できる》
今回の達人は、北京ダックを調理する専門の国家資格を持つ烤鴨師(カオヤーシ)、「全聚徳 銀座店」の 竇 文明さん。

北京ダックの皮には美肌や老化防止成分が豊富に含まれる

1864年創業。以来151年の歴史を持つ「全聚徳」は、明朝から清の時代にかけて皇帝や宮廷の人々に愛されたローストダックを、当時と変わらぬ味と製法で守り続ける北京ダックの名店だ。銀座店では、本店の職人が作った日本初の石窯で、国家資格を持つ専門の職人が焼き上げる様子を見学することもできる。秋から冬にかけて脂ののったダックは、クリスマスなどお祝いの席に欠かせないご馳走でもある。

「鴨の脂の融点は14度と低いので、体内に留まりにくい。皮にはコラーゲンがたっぷり含まれ、美容効果もあります」と語るのは、北京本店から招聘された専門烤鴨師(カオヤーシ)の竇さんだ。

【医食同源】「全聚徳 銀座店 」の北京ダックの皿盛り、白ネギと甜麺醤などがテーブルにセッティングされている。

北京ダック
皮だけを食べる香港式と異なり、本場の北京ダックは桜の薪窯で中までじっくり火を通した肉をつけて提供する。

本店と同じくもの工程を経て、50度の石窯で約40分かけて焼き上げられる北京ダックは、パリパリの皮とジューシーな肉が醍醐味。均等に焼き色をつけるために、最後に太ももの焼き足りない部分に火を当てるように鉄棒を振りながら焼くのが、名職人ならではの技だ。

西太后が美と健康のために国の財産を注ぎ込むほど気に入り、還暦祝いにも供されたという伝説の料理は、今なお人々の心と体を満たす健康的で贅沢な味として生き続ける。

北京ダックを調理する専門の国家資格を持つ烤鴨師(カオヤーシ)、「全聚徳 銀座店」の 竇 文明さんによる「北京ダック」。
香ばしく焼かれた北京ダックの皮は、美肌作用のあるコラーゲンや軟骨再生成分のコンドロイチンを豊富に含む。また、脂肪は不飽和脂肪酸で体の中に溜らず太りにくいという効果も期待できる。

上から薄い小麦粉の皮・ヤーピンに包んでサービスされる。キュウリ、紅芯大根、サラダ菜の有機野菜セットは好みで注文可能。北京ダックを焼く時にぬる水飴。北京ダックには自家製甜麺醤と白髪ネギがつく。好みで揚げヤーピンチップやニンニクとパン粉を炒めたものを一緒に巻けば、ひと味違った香ばしい食感が楽しめる。

竇 文明/Dou Wen Ming
1977年瀋陽生まれ。
1999年~2010年まで「全聚徳 北京本店」で修業。11年に来日し、東京「全聚徳 銀座店」で北京ダックを調理する専門の国家資格を持つ烤鴨師(カオヤーシ)として腕を振るう。

全聚徳 銀座店

全聚徳 銀座店
東京都中央区銀座5-8-17
ヒューリック銀座ワールドタウンビル6F
0120-19-8668
● 11:30~15:00(14:30LO)
17:00~23:00(22:00LO)
土日祝11:30~22:00(21:00LO)
● コース 昼1500円~、夜8000円~、アラカルトもあり
● 無休
● 150席
www.zenshutoku.com

小林薫=取材、文 伏木博=撮影

本記事は雑誌料理王国第255号(2015年11月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第255号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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