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パリで成功する日本人シェフ「エチュード」山岸啓介さん


伝統的なソースと料理で挑む

「流されない」で、自分の料理を極める

流されないこと――。2013年9月に「エチュード」を開いた山岸啓介さんのモットーだ。東京・白金台「OZAWA」で7年間、本格的なフランス料理を学んだ後、27歳でフランスへ渡った。

ディレクターのジャン・シャルルさん(左)と山岸さん。


「パリに来た2008年頃、軽い料理が流行っていて、『これがフランス人の作るフランス料理なのか』と、がっかりした記憶があります」

ウニ、ニンジンのピュレ、カカオのチュイール
カカオを使った円筒型のチュイールの中に、サフランの香りをつけたニンジンのピュレを流し、そこに炙ったウニを置き、ベルベーヌの葉の泡で覆った。ウニの甘さにカカオの苦味がとけあう。

クラシックなフランス料理は地元の常連に喜ばれる

自分が店を出すなら伝統的なフランス料理の良さを伝えたい。そう考えながら、パリの名店「アガペ」などで5年間腕を磨いた。
「フランス料理での一番は、やはりソースだと思う。僕はクラシックなソースをお出しします。お客さまは喜んでくださいます」と山岸さん。
40〜50代の地元の住人が常連だが、近くの「シャングリラホテル」(五
ツ星)からの紹介で、海外のゲストから予約が入る夜もある。

盛り付けは、店内を見渡せる場所で。見せる演出もレストランでは重要だ。

独立から2年、どの店でもそうだが、当初の勢いは落ち着き始めた。
伝統的な料理で勝負するなら、ミシュランの星も必要ではないか――。
「でも、あえて狙おうとは思いません。流されず、自分の料理をしっかり追求していきたいです」

Keisuke Yamagishi

1981年長野県生まれ。武蔵野調理師専門学校卒業後、東京「OZAWA」の小沢貴彦氏の薫陶を受ける。27歳で渡仏し、ブルゴーニュでの修業を経てパリへ。「アガペ」などで研鑽を積み、2013年9月、「エチュード」で独立する。

パリ16区は、駐フランス大使館の4割ほどが集中する地で、外国人も多い。エチュードは、大通りから入った小さな路地に佇む隠れ家的なレストランだ。店内はシンプルに白を基調にしている。

エチュード
étude
14, rue du Bouquet de Longchamp,
75116 Paris
☎+33 (0)1 45 05 11 41
●12:30~14:00LO、20:00~22:00
●日・月・土昼休
●昼45€、夜80€
●20席

江六前一郎=取材、文 村川荘兵衛=撮影

本記事は雑誌料理王国252号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は252号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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