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各国羊肉続々輸入解禁ラッシュ!秘境パタゴニアのラムが日本にやってくる。


Cordero a la parrilla(ラムの炭火焼き)丸焼きでもこのサイズ!

最近、羊肉が目に付くことが多くなっていませんでしょうか?輸入金額は2015年から2018年の3年で1.5倍に増え、首都圏の多くのスーパーで取り扱いがあるようになり、羊肉専門業態の店も月に数店舗の割合で増え続けている羊肉。

国内のこのような動きに呼応して、ここ数年で多くの国から羊肉が輸入されるようになりました。ちなみに、日本国内で食されている羊肉の99%以上は輸入です。皆さんが普段食べている羊肉はほぼすべてが海外産だと思って差し支えありません。それゆえ、輸入の状況が、国内の羊事情に大きく影響してきます。

どんどん解禁される羊肉。

ここ数年だけでも、フランス、アメリカ、ウエールズ(イギリス)と輸入国は増えていますが、昨年10月より、アルゼンチンはパタゴニア地域の羊肉の輸入が始まりました。個人的に、パタゴニアにはなぜか、ポジティブなイメージを昔から抱いており、これは楽しそうだと先日アルゼンチン大使公邸で開催された、パタゴニアラムの試食会に参加してきました。

今回はアルゼンチン大使館と、実際に羊肉を輸入する日本ハム㈱の共同イベントで、大使公邸の料理人さんが腕を振るうアルゼンチンの羊料理を味わいつつ、アルゼンチンラムについてのお話を伺ってきました。

アルゼンチンは「肉が主食」と言われるほど、肉食が盛んな国。生産量も多く、消費者もクオリティに厳しい事から肉の質、味に定評がある国と言われています。アルゼンチンを訪れたことのある多くの方々が、そのうまさについて賞賛しているのをよく耳にするので、ラム肉への期待もいやがおうにも高まります。

パタゴニアラムとは?

国・地域により羊の味は全くと言っていいほど違います。品種、環境、飼料、肥育日数などが違うので、味が異なってくるのは、ある意味当たり前なのですが、今まであまり重視されてこなかった気がします。よく考えると同じわけないのですが、不思議な感じがします。そこで、アルゼンチンラムとは!を少々詳しくご説明。

アルゼンチンでは、現在約1500万頭の羊が飼育されており、その中でもパタゴニアは特に飼育数が多い地域。南極圏に近い厳しい自然環境のもと、自生する牧草で育ち、基本的に屋外で飼育されています。生後一か月までは母乳で育ち、その後は牧草で育つとの事。多くの国で行うような、穀物による肥育は行っていないそうです。パタゴニアでは、オーガニックにて育てられたラムもいます。

これって実はすごい事で、羊が人間と触れるのは食肉に加工されるときが初めてで、その時まではパタゴニアの自然の中で、自然の牧草を食べ、生活している羊もいます。また、人口密度が少ないパタゴニアの地域は汚染も少なく、羊が化学物質などにふれることもほぼ考えられないと言われています。

私の周りで聞く限りでも「パタゴニアというだけで元気で安全な羊が育ってそう」という見方をする消費者が多く、パタゴニアという言葉に対するポジティブイメージは日本で販売するうえで、消費者にはかなりプラスの印象に響くだろうと予想されます。

特徴は、小ぶりで食べやすいけど「しっかり羊。」

その他の特徴として、肥育期間が3か月から4か月と、ほかの国に比べるとかなり短かいことが挙げられます。長い場合、10か月肥育するオーストラリアに比べると、大体半分ぐらいの肥育期間です。それゆえ、サイズが小さく、枝肉でも10㎏とかなり小柄。また、ラムチョップも小さく、ぱくりと食べられる一口サイズ。この小ささ、実に応用が利き、取り回しが良いと感じました。小さなラムチョップは様々な料理に使い勝手が良いですし、10㎏という枝肉のサイズも、丸焼きなど目を引く料理などにもぴったりのサイズ感だと感じました。

味や香りは羊の独特の香りが控えめで食べやすい印象。かといって羊の匂いがしない!わけではなく、脂周りなどはしっかりと羊の香りを主張します。したがって、脂のトリミングによって「羊感」をかなり調整できるお肉です。価格帯もそこまで高くない設定だそうなので、羊肉界の新しい台風の目になるか!?今後が楽しみなお肉です。まだ、現段階では輸入の初期で、一般では食べられるところがほとんどないお肉です。そのうち、皆さんの前にも登場していくと思うのでご期待くださいませ。

どんどん入ってくる新しい国のラム肉。まさに、「羊肉戦国時代」に突入した感がありますが、消費者としては選択肢が増えるので歓迎すべき事!今後の流れが楽しみです。

■問い合わせ先

日本ハム㈱お客様サービス室 0120-286114                        ※ 業者向けの問い合わせです。消費者の皆さんは連絡禁止ですよ!

取材・文・撮影=菊池一弘

株式会社場創総合研究所代表取締役。
羊好きの消費 者団体齧協会主席。羊を常食とする地域で育ち、中国留学時にイスラム系民族の居住区に住んでいたことなどから、20代前半まで羊は世界の常識と思ってそだつ。本業は「人を集める事」企画から集客、交渉や紹介など。公的団体の仕事から、個人までできる事なら何でもやるスタンス。最近は四川フェスの運営団体麻辣連盟の幹事長も兼務。監修書籍に「東京ラムストーリー(実業之日本社)」「家庭で作るおいしい羊肉料理(講談社)」がある。
http://hitujikajiri.com/


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