食の未来が見えるウェブマガジン
                   

麺に憑りつかれた男たち(1) 麵処NAKAJIMA 中島眞介さん


自他ともに認めるめんくいが全国の目玉食材を結集

 ホテルニューオータニに2010年にオープンした「麺処NAKAJIMA」はその名の通り、パティシエでもある同ホテルF&Bディビジョン調理部長の中島眞介さんがプロデュースした麺処だ。中島さんはうどん文化圏の四国で育ち、自他ともに認める〝めんくい〞男。
「万人受けする麺はスイーツ同様、工夫次第で外国の方も含めて老若男女、幅広い客層に訴求できるのが魅力。ただ、ホテル直営店であるからには、街場のそば・うどん店とは一線を画したものにしたかった」とその意気込みを語る。
 同店はこれまでのそば・うどん店の既成概念にとらわれない柔軟な発想、ホテルならではの和食・洋食・中華料理などの各セクションの知恵や技術を融合させたメニュー作りを柱としている。

特製うどん
鍋焼きうどんとカレーうどんに使用する煮込み専用うどん。しっかりとだしが染み込むまで煮込んでもコシがあり、艶やかでつるりと滑らかな喉越しが持ち味だ。均一に圧力をかけて生地を伸ばすことにより弾力が生まれ、まんべんなくだしが染みこむ。また、石川県など国産の小麦を石臼で挽いて細かな粒子にしているので、滑らかな表面に仕上がった。

濃厚なすっぽんに負けないうどん作り

 看板料理のひとつである冬季限定の「すっぽん鍋焼きうどん」は、まさにそうしたコンセプトを具現化したユニークなメニューだ。
 まず、麺料理でありながらもメインディッシュになり得るインパクトのある1品をめざした。ゲストの印象に残る目玉となる食材を使おうと、食材を求めて全国を巡る中島さんがたどりついたのが〝すっぽん〞。
「かつて食べた京都のすっぽん料理の老舗の奥深い味が忘れがたくてね。すっぽんならば、鍋焼きうどんがぴったりとすぐにひらめいたんです」と中島さんは語る。
 そこで、すっぽんは奥飛騨焼岳温泉で養殖している泥臭さのないものを使用。味の要となる〝黄金のだし〞は、洋食部門が日かけて作るこのすっぽんのコンソメスープに、京都の水と昆布やかつお節・まぐろ節などでとっただしを合わせた和洋ブレンドの味に。

 この濃厚なだしに負けないうどんは、「しっかりとだしを吸い込み、煮込んでもへたらず、最後の1本を食べきるまでコシのある麺。しかも、喉越しよく、表面はあくまでもつるりと滑らか」なものをめざし、開発に半年をも要したという。しかし、均一に圧力をかけて生地を伸ばすことで、しっかりとだしを吸い込みながらもコシがある仕上がりとなった。また、国産小麦を石臼で微粒に挽くことで滑らかな喉越しを実現することができた。

 話題のスイーツを次々とヒットさせてきたアイデアマンの中島さんが次に仕掛けるのは、この春から「SATSUKI」に登場する金のダイスで作った滑らかな口当たりのパスタ。「四国育ちに加え、パティシエとしての小麦への血がざわめくのか、麺のアイデアが次々と浮かんでくるんですよ」と笑う。

NAKAJIMAうどん

NAKAJIMA 前菜六点盛りと冷酒鶴齢
前菜は鶴齢の酒粕漬けのフォアグラ、もろきゅう、鴨のロースト、シュリンプカクテル、ミニトマトの酢ゼリー掛け、クラゲと白菜の中華風など、ホテルならではの和洋中盛り合わせ1500円。鶴齢900円~とも好相性。

すっぽん鍋焼きうどん
すっぽんや生麩、海老天など盛りだくさんの具の下からのぞく艶やかなうどんは濃厚なだしをたっぷりと吸いながらも弾力があり、つるりと喉を滑り落ちる。黄金に輝くスープはかつお節やまぐろ節・昆布のだしに奥飛騨焼岳温泉で育ったすっぽんのコンソメを合わせた。3月31日までの提供、3800円。

麺処 NAKAJIMA 中島眞介さん
1958年愛媛県生まれ。幼少よりうどん大好きな、自他ともに認める“めんくい”。高校卒業後、ホテルニューオータニに入社。98年よりシェフパティシエに就任。2008年より、F&Bディビジョン調理部長として指揮を執る。

麺処 NAKAJIMA
東京都千代田区紀尾井町4-1 ガーデンタワー ロビィ階
● 11:30~14:00LO、17:00~21:00LO、
● 無休
● ランチセット1800円~、ディナーセット4000円~、アラカルトあり


text:Toshie Shimizu /photo:Hisashi Okamoto

本記事は雑誌料理王国第212号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第212号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


SNSでフォローする