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プロも役立つ!オーガニックをめぐる用語集


難解と思われがちな、オーガニックにまつわる用語と、まぎらわしい周辺キーワードを解説。オーガニック食材を選ぶ際に目安となる、国内外の主要なオーガニック認証マークも一覧にしました。

【保存版】オーガニック用語集

【アレルギー物質表示】

人によっては特定の食物が原因でアレルギー症状を起こす。アレルギー物質を含む食品として表示義務がある品目は小麦、卵、乳、そば、落花生。食品衛生法で表示がすすめられているのはアワビ、イカ、イクラ、エビ、オレンジ、カニ、キウイフルーツ、牛肉、クルミ、サバ、サケ、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マツタケ、モモ、ヤマイモ、リンゴ、ゼラチンの品目。

【一楽照雄】

日本有機農業研究会の設立者。1971年、農薬や化学肥料に頼った農業は土壌の疲弊、環境問題を引き起こすと考え、無農薬、無化学肥料での土作りを基本とした本来の農業を「有機農業」とし、その問題解決のため同協会を設立。このとき「有機農業」という言葉が誕生した。

【遺伝子組み換え食品表示】

表示が義務化されているのは大豆(枝豆およびもやしを含む)、トウモロコシ、ジャガイモ、なたね、綿実(綿の種子)、アルファルファの6種類の作物と大豆、トウモロコシ、ジャガイモを原料とする31食品群。大豆油、コーン油、醤油などの表示は任意。

【F1種】

ハイブリッド種のこと。種苗会社がバイオテクノロジーで作った交配種で、収穫量や味が安定しているとされる。しかし一代交配種ともいわれ、種を採取しても次の世代は奇形ができるため、毎年種を購入することに。現在出回っている農産物のほとんどがF1種。

【岡田茂吉】

東京・浅草生まれ(1882ー1955年)。世界救世教の創始者。無肥料栽培の自然農法を提唱。宗教家にとどまらず書家、画家、歌人、華道家、造園・建築家でもある。その教えの下、自然農法国際研究開発センターなどが自然農法の普及・発展のため活動している。

【オーガニック】

英語のorganicは「有機的な、有機の」と訳される。ほかにも「構成的な、組織的な」の意味を持ち、自然環境と調和する意味もある。日本の農業、食品業界ではオーガニックは有機と同義で使われている。オーガニックは化粧品や衣類、生活雑貨の分野にも広がるが、ここでは有機という言葉は用いられない。

【オーガニックEXPO(BioFach Japan)】

日本最大のオーガニック見本市。ドイツのニュルンベルグのビオファをもとに日本でも開催。食を中心に国内、海外のメーカーが出展する。

【慣行栽培農産物】

有機農産物、特別栽培農産物のどちらにも属さない農産物。慣行栽培とは法律で許可されている農薬、化学肥料、除草剤を通常使用している。スーパーなどに並ぶそのほとんどは慣行栽培。

【原産地表示】

国内の生鮮品はすべてに生産された産地が記載される。輸入品は原産国名が記載される。加工食品原料の表示義務はウナギの加工品、かつお節、梅干などの農産物漬物、野菜冷凍食品で、魚介類、食肉類に広がっている。完成品を輸入して国内で包装した場合は原産地国名と加工地名(県名)が表示される。

【原材料表示】

食品添加物とそれ以外の原材料に区分され、すべての原材料が使用された重量の多い順に記載される。特に原材料によってアレルギー反応が出る場合や薬を服用しているときは注意が必要。

【固定種】

ある地域の気候、風土に適応した伝統野菜、在来種になるまで何世代も自家採種、自家選抜され、遺伝的に安定した品種として固定した種。F1種と比べると形、大きさは不揃いになるが、その地域の食文化に合った味、風味が豊かに育つ。

【在来種】

原種(品種改良、遺伝子操作などされていない、自然種に近い種)を使って同じ土地で10年以上を目安に栽培されてきた作物、あるいは種のこと。自家採種を繰り返し、その土地の環境に適した遺伝子が残り、おいしい野菜や米ができる。

【自然栽培】

土の育成に主眼を置き、無農薬、無化学肥料もしくは無肥料で土の肥毒(残留化学肥料)を解毒し、固定種を自家採種することで種の肥毒を解毒する。広義には自然農、自然農法と通じる栽培法。

【自然農法】

耕さない、肥料・農薬を用いない、草・虫たちを敵にしないことを原則とする、自然の理に沿った農業のこと。古くは昭和初期に岡田茂吉によって提唱され、以後、福岡正信、川口由一がそれぞれのやり方で継承し、広められてきた。草を取らないと、土の中の水分がよく保たれ、また虫が棲みやすい環境が保たれる。たくさんの種類の虫たちがいることで、生態系のバランスが安定し、特定の害虫が繁殖することもないため、農薬を使う必要がなくなり、虫たちのフンによって、自然に土が肥えるため肥料を与える必要もない。また、草の根や土の中を移動する虫たちによって、土は自然に耕されるため、その命の営みを大切にするために、あえて土を耕さない。単純で労力が少なく、環境に負担をかけない、永続可能な農業。

【食品添加物表示】

加工食品に含まれる食品添加物は、使用重量が多い順に原材料の欄に記載される。表示方法は(1)物質名:塩化カルシウム(または塩化Ca)、香辛料抽出物(または香辛料、スパイス)など、(2)用途名:「甘味料(キシリトール)」「着色料(βーカロテン)「保存料(ソルビン酸)」など、(3)一括名:香料、酸味料、pH調整剤、乳化剤、保存料、着色料など、同様の機能・効果があるものを一括表示する、の3つの表示方法がある。

【食料自給率】

その国の食料消費がどの程度、自国の生産でまかなえているかを示す割合。食料自給率には「カロリーベースの食料自給率」「生産額ベースの自給率」「穀物自給率」がある。日本の食料自給率40%はカロリーベースで産出されたもので、主要先進国の中では最低。

【スローフード】

地産地消と地方の食文化を守る運動。ファストフードに象徴される、大量生産・大量流通の食の画一化に異議を唱え、(1)伝統的な食材や料理、食品を守る、(2)品質のよい素材を提供する小生産者を守る、(3)子供を含め生活者に味覚について啓蒙する、という運動。イタリア北部のピエモンテ州ブラで始まった。

【大地を守る会】

1975年「自然環境に調和した、生命を大切にする社会」の実現をめざして「農薬の危険性を100万回叫ぶよりも、1本の無農薬の大根をつくり、食べることから始めよう」というコンセプトの下に活動をスタート。共同購入事業から始まり、1985年、顔の見える関係をモットーに宅配事業を開始。日本の産消提携運動のさきがけとなる。

【地産地消】

その土地でできた農産物などをその土地で消費すること。新鮮なものを入手でき、輸送のエネルギーを節約でき、CO2の排出を抑えられる。生産者と消費者の交流と信頼関係を築きやすいというメリットもある。

【特別栽培農産物】

化学合成農薬と化学肥料の双方を、その地域で慣行的に使用されている量の50%以上まで減らして栽培された農産物を指す。この基準は農林水産省新ガイドラインで定められ、2004年4月以降に、適用されるようになった。「特別栽培農産物」の表示がある場合は、同時に削減割合も表示される(例:「化学合成農薬:当地比7割減、化学肥料:栽培期間中不使用」など)。化学合成農薬や化学肥料を一切使わずに栽培した場合でも、有機JAS認定の基準となるさまざまな条件をクリアできない場合は、「特別栽培農産物」として表示される。「無農薬」「無化学肥料」「減農薬」「減化学肥料」の表現は禁止されているが「、無農薬」「無化学肥料」は一切の残留化学物質を含まないとの優良誤認を消費者に与えるおそれがある、「減農薬」「減化学肥料」は基準があいまいだ、というのがその理由。

【トレーサビリティ】

野菜や肉など食品の生産情報を、遡って追跡できること。牛肉の場合は、「牛肉トレーサビリティ法」によって2004年から牛の「個体識別番号」の表示が義務づけられており、パックのラベルに掲載されているURLにアクセスすることで、購入した牛の履歴をパソコンや携帯電話で詳しく調べることができるようになっている。野菜も同様。

【バイオダイナミック農法】

ルドルフ・シュタイナーが提唱した有機栽培方法。宇宙(月・太陽・天体)の運行リズムと地球、植物との作用を考え、独自の農業暦を用いて土地と植物の活力を引き出す。また大地の生命力を高めるために鉱物、植物、動物性由来のものを混ぜた堆肥を用いる。

【バーチャルウォーター】

食料生産に必要な水のことで、国際的な食料の輸出入は、バーチャルウォーターの輸出入にほかならないという考え方。自国の食料生産を増やして、他国の水を使わないことが、世界の水不足の解消につながる。

【ビオワイン】

ビオロジックのワインの略語。オーガニックワイン、自然派ワインともいう。無農薬有機栽培のブドウで、醸造も無添加、無調整のワインを示し、使ってよい亜硫酸塩とその量などが厳格に規定されている。その中で、バイオダイナミック農法で造られたものはビオディナミワインと呼ばれる。

【ビーガン】

ベジタリアン(菜食主義者)の中でもとくに純粋な菜食で、卵も乳製品も食べない人たちのことを。ビーガンのほかにも、ラクト・ベジタリアン(植物性食品に加え、乳製品を食べる)、ラクト・オボ・ベジタリアン(植物性食品と乳製品・卵を食べる)、ペスクタリアン(植物性食品と魚を食べる)など、さまざまなタイプがある。

【フェアトレード】

アジア、アフリカの貧しい生産地の人々と公平な貿易を行い、他国企業が一方的に搾取しない適正価格で発展途上国と貿易すること。その利益が貧しい地域の自立、生活改善などの支援につながる。

【福岡正信】

愛媛県伊予市生まれ(1913ー2008年)。耕さない、無肥料、無農薬、無除草の自然農法を確立。野菜や木の種を混ぜた粘土団子を考案。世界各地で砂漠緑化に努め、1988年、アジアのノーベル賞といわれるマグサイサイ賞を受賞。代表著書に『自然農法わら一本の革命』がある。

【フードマイレージ】

農地や漁場から消費者まで、食料の輸送に伴う環境への負荷を示す指標のこと。2001年の日本の食料輸入総量は5800万トンで、これに輸送距離を乗じたフードマイレージは9000億トンキロメートルとなる。これは日本国内の1年間の総貨物輸送量に匹敵する数値で、アメリカや韓国の約3倍にものぼる。

【ベジタリアン】

健康、道徳、宗教上の理由から、肉や魚など動物性食品を食べない主義・思想のこと。菜食主義者とも呼ばれる。野菜(ベジタブル)を食べるからベジタリアンなのかと思われがちだが、語源はラテン語のvegetusで、「健全な、生き生きした」の意。

【ポストハーベスト農薬】

農産物の収穫後に使用する、殺菌剤や防カビ剤などの農薬のこと。輸送や貯蔵中に腐敗、カビ、害虫の食害、発芽などで品質が落ちるおそれがあるが、この被害を防ぐために使用される。有害性の高いものが大量に使われている場合がある。

【マクロビオティック】

「マクロ」は大きい、長い。「ビオ」は生命、「ティック」は術、学を意味する。祖は桜沢如一(1893-1966年)。実践の3つの基本は、身土不二、一物全体、陰陽調和で、「玄米菜食」が食べ方の基本。今ではアメリカ、EUをはじめ世界中で注目され、マドンナ、トム・クルーズなど著名人にも実践者が多くいる。桜沢の弟子で、アメリカ、ヨーロッパでの普及活動を続けている久司道夫(1926-2014)は1999年、日本人で初めてアメリカ歴史博物館(スミソニアン博物館)に殿堂入りを果たした。

【有機】

科学用語における有機は有機化合物を指すが、農業の世界では、主流の慣行栽培の化学肥料が無機質である一方で、伝統的な肥料の多くが有機質だったことから有機農業と表現されたと考えられている。有機=オーガニックとして、有機農業、有機農産物、有機栽培、有機加工食品、有機畜産物……といったように使われる。

【有機加工食品】

食品添加物、薬剤の使用を極力避け、水と食塩を除く95%の原材料が有機食品であることに加え、遺伝子組み換え技術を使用しないことが条件。こうした厳しい生産基準に適合した生産方法が行われているかどうかを、登録認定機関が検査し、認定された事業者のみが、有機JASマークを表示することができる。

【有機JAS法】

国連のコーデックス委員会の国際基準に基づき、日本の有機農産物の生産と表示の規定を決めた法律。2000年に農林水産省が制定した、食品の安全性の基準を示す有機JASマークが付けられる。農産物・畜産物・加工食品のカテゴリー別に基準が設定されている。

【有機畜産物】

主に有機の飼料を与え、野外放牧などストレスのない環境で飼育した畜産物。抗生物質などを病気の予防目的で使用しない。

【有機農産物】

種まき、植えつけ前の2年以上(多年性作物の場合は、最初の収穫前の3年以上)、および栽培期間中に、禁止された農薬・化学肥料を使用せず、たい肥等で土づくりを行なった田畑で栽培した農産物。

【ロハス(LOHAS)】

Lifestyles of Health and Sustainability の頭文字をとった略語で「健康と地球環境」意識の高いライフスタイルを指す。今、地球環境に負荷をかけない視点からの経済活動、生活文化の選択が迫られており、新しい価値観とライフスタイルを持つロハス・ピープルが増えている。

【ローフード】

生の食材を中心にした食生活のこと。リビングフードとも呼ばれる。加熱によって失われる酵素やビタミン、ミネラルを効率よく摂取する調理法と食べ方。有機や天然の食材にこだわり、加熱殺菌したものはとらない。野菜、果物、海藻類、種子類、豆類、穀物をはじめ発芽したてのスプラウトや発酵食品を活用する。

国内・海外の主要オーガニック認証マーク一覧

日本には有機JASマークが、世界にもたくさんの認証マークが存在します。政府や認証機関が発行する、国内外のおもだった認証マークを一覧にしました。

有機JASマーク(日本)

2000年に国連のコーデックス委員会の国際基準に基づき、有機JAS法が制定された。それに基づき農林水産大臣が認定した有機登録認定機関が審査し、第三者認証として有機認定した食品にのみ、安全性の基準を示す有機JASマークが付けられる。マークの下には審査した認定機関名(現在60機関)が記載される。有機JASは農産物、畜産物、加工食品のカテゴリー別に基準があるが、マークは同一のもの。

Suolo e Salute

Suolo e Salute(イタリア)

1969年、トリノで医者、農業者、市民活動家によって設立。イタリアにおいて初めての有機農業の推進活動を行った機関。現在、イタリア国内で5万5000戸の有機農家のうち26パーセントにあたる1万1000戸の検査・認証を行う。有機生産のリーダー的存在。

ECOCERT(フランス)

1991年にフランス農務省により設立された。フランスのトゥールーズに本拠地を置き、ヨーロッパを中心に世界85カ国以上で活動を行う。国際的な有機認定機関としては世界最大といわれ、オーガニック認証団体の世界基準とされている。

IMO(スイス)

Institute for Marketecology。 品質保証と環境にやさしい有機栽培製品と栽培方法に関するスイスの代表的な認定機関で、米国農務省から有機認定のための国家有機プログラム(NOP)を認可されており、日本市場向けにも認定を提供している。

SOIL ASSOCIATION(イギリス)

1946年に設立。イギリスの有機農産物の検査・認定機関で、英国土壌協会と呼ばれる。過去5年以内に遺伝子組み換え作物が生産されていない、人工ナノ物質の使用禁止、工業地帯から離れた場所で栽培されているなどEU規格よりもさらに細かい基準が設けられる。

CCPAE(スペイン)

スペインではEUの有機認定を受けるために、まず栽培する畑を各自治州のオーガニック農業統制委員会に登録・申請し、認定を受ける。この委員会はオ ーガニックの国際基準に準ずる公的な認定機関。州によってマークの周囲の文字は州名に変わる。

AMA(オーストリア)

AgrarMarkt Austria。オーガニック農法を行っている農家が全体の約14パ ーセントを占めるオーストリアにおいて、もっとも認知度の高い認証マーク。原材料はオーストリア産に限り、完全有機無農薬土壌で栽培された有機農産物に与えられる。

KRAV(スウェーデン)

1985年に発足したIFOAM(国際有機農業運動連盟)に認可されたオーガニック栽培認定組織。レストランやカフェ、ホテル、学校などの施設をチェックしてライセンスを発行するエコ認定も実施。「社会的責任」を負うことを掲げ、社会貢献活動なども広く行う。

demeter(ドイツ)

ドイツでもっとも古い民間の機関で、オーガニックを推奨・認定する。基準は有機の無農薬、無化学肥料だけではなく、バイオダイナミック農法をきちんと行っていることが認定条件となる。ドイツでは最も信頼のおけるオーガニ ック認証マークとして知られる。

中国有机产品(中国)

中国国家認証認可監督委員(CNCA)が発行。中国では約8割の人が食品への不安を抱いているといわれ、有機食品は信頼できる食品として生産・消費ともに年間20 ~30パーセント増加。 CNCAは有機市場の成長・拡大を推進し、その存在感は強まりつつある。

AUSTRALIAN CERTIFIED ORGANIC(オーストラリア)

2002年設立のオーストラリア最大のオ ーガニック認証機関。農産物に関しては、最低3年以上農薬を使っていない土壌で、農薬や化学肥料を使わず、肥料を使用する場合は有機肥料のみを使用しているもののみに与えられる。農林水産省の登録外国認定機関でもある。

IBD

IBD(ブラジル)

ブラジルでもっとも伝統がある認証機関。1988年に独自のオーガニック基準を設け、90年から検査・認証を開始。オ ーガニック農法とバイオダイナミック農法の認証も行っており、フェアトレ ード製品認証なども積極的に実施していることで知られる。

USDA ORGANIC(アメリカ)

USDA ORGANIC(アメリカ)

米国農務省(USDA)によるオーガニック認証。2002年、有機についての全米統一認定基準であるNOP(National Organic Program)が施行され、それに則っている。米国内の標準化された基準のため、認証機関によるばらつきがなく、消費者への信頼性が高い。


山口タカ Taka Yamaguchi
1954年大分県生まれ。オーガニックジャーナリスト。『美味しんぼ』第101巻“食の安全”をコーディネート、“有機の水先案内人”として登場。『オーガニック電話帳』編集人。

山口タカ・文/監修 竹岡槙子・イラスト
text & supervision:Taka Yamaguchi /illustration:Makiko Takeoka


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