<宮城県>進化する食材の宝庫を巡る【銀鮭】【フカヒレ】


高品質のフカヒレなど、宮城クオリティの高級中華食材は世界が認める味

【フカヒレ】

気仙沼のフカヒレが世界で認められている背景には、捕獲したサメの鮮度や品質を落とさずに水揚げする漁師の技と加工業との連携がある。サメが水揚げされると素早く浜で加工業者へと渡される。

石渡商店ではフカヒレのコラーゲンを壊さず留める製法を独自に開発するなど、研究を欠かさない

宮城県は、フカヒレ、干しナマコ、干しアワビといった高級中華食材の世界トップクラスの生産地だ。ことに気仙沼はヨシキリザメやモウカザメなどのサメの水揚げが日本一であり、江戸時代からサメの町として栄えてきた。

そんな気仙沼にある石渡商店では、さらに一歩進んだフカヒレを作り上げている。フカヒレの加工の際に使われることが多いという添加物を使用しない。その製法は伝統的であるとともに最先端をゆく。「雑味や臭みがなく、フカヒレ本来の自然な味です。繊細なスープと合わせる煮込みには欠かせません」と黒森シェフ。

フカヒレは熟練の職人が一つ一つ手作業で丁寧に皮や骨を取り除いている

宮城は自然に恵まれている。そのメリットを生かし、良質な食材の生産に取り組む研究熱心な生産者も多い。

「作り手の思いを料理を通して伝えていくことが使命だと思っています」と、黒森シェフはこれからますます宮城の食材にこだわる中華を発信していきたいという。

「中華の食材でありながら宮城県から一歩も出ていない。そういう食材だから、自分が使う意味を感じます」と黒森シェフ 

株式会社 石渡商店 
宮城県気仙沼市松崎柳沢228-107
TEL 0226-22-1893

楽・食・健・美-KUROMORI
黒森洋司

1976年神奈川県生まれ。西麻布「香港ガーデン」で香港出身の師匠から広東料理と点心を学ぶ。「福臨門魚翅海鮮酒家(二子玉川店)」にて同グループ初の日本人料理長に就任。2011年に宮城県へ移住し、地元の生産地巡りを続けている。

【お問合せ先】 
宮城県農政部 食産業振興課 
TEL 022-211-2813 https://foodkingdom.pref.miyagi.jp

text: Jun Okamoto photo: Shingo Miyaji

本記事は雑誌料理王国317号(2021年8月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は317号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは、現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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