「REGALOはどんなソースとも相性がいいので、料理人としての務めはおいしいソースを作ることでしょう。あとは、熱湯に1.2%の塩を入れてゆでるだけ。旨いソースさえできれば、このパスタがその持ち味によっておいしいひと皿へと引き上げてくれます」こう語る落合シェフの「グリーチャ」は、たしかにソースとパスタが互いの良さを引き立て合う絶妙なおいしさだ。「グリーチャ」が毎日食べても飽きないパスタなら、次に作ってくれた「魚介のリガトーニ」は、特別な日に食べたいごちそうと言えるだろう。
具材となるズッキーニやナス、マッシュルームなどは均一に火が入る大きさにカットしておく。さらにこの料理では白いソースをきれいに表現するため、ナスやズッキーニは皮を剥き、変色を防ぐためにレモン水につけて下準備をする。「でも、タマネギは食感を残したいので少し大きめに切ります。ジャガイモは溶けてなくなるくらいがいいので小さめにカットしましょう」と、忙しく手を動かしながらも仕上がりを計算する落合シェフ。一方、食べ応えある大きさに切ったエビ、イカ、ホタテ、カニなどの魚介は、火を通しすぎないようにして、プリっとジューシーに仕上げる。豊富な具材に合わせたのは太めで弾力あるショートパスタ。パスタをかみしめることで、魚介や野菜の旨味が一層鮮烈になるのが狙いだ。こうして出来上がったごちそうパスタは見た目にも美しく、淡い色のソースにエビやカニの赤、ホタテやイカの白も映えて、食欲をそそる。
「REGALO」は、イタリア語で「贈りもの」を意味する言葉。こだわりの詰まった食材は、パスタを愛する人々への贈り物というわけなのだ。この贈り物を受け取った料理人は、そこにおいしさを添えて、食べ手へとつなぐ。長年にわたり多くのグルメを唸らせるパスタを作り、現在も日々ファンを増やし続ける落合シェフのパスタもまた、贈り物と呼ぶにふさわしいだろう。
主な材料(2人前)
ズッキーニ、ナス、ジャガイモ、マッシュルーム…100g
エビ…20尾
イカ…60g
ホタテ…4個
カニ…100g
セロリ(香りづけ用)、エストラゴン、トウガラシ…適量
レガーロリガトーニ…160g
このほか、ブランデー、アメリケーヌソース、オリーブオイル、バター、パルミジャーノチーズ、塩、コショウなど。野菜は適当な大きさに切り揃えて塩をふって5分ほど置いておく。
作り方
2. 同じ鍋にバターを入れ、タマネギとセロリから野菜を炒めていく。すべての野菜を入れたら魚介から出た煮汁を戻して、鍋をあまり動かさず水分を蒸発させるように加熱する。
3. 水分がなくなってきたら、アメリケーヌソース、刻んだエストラゴン、生クリームを入れて煮詰める。煮詰めるには乳脂肪分30%の生クリームが最適。
4. 煮詰めたソースにチーズを加えたら、ゆであがったパスタを入れて軽く煮込み、コショウで味を整える。そこに取り出しておいた魚介を戻し、温める程度に加熱して皿に盛る。
text 上村久留実 photo 依田佳子
本記事は雑誌料理王国2020年8・9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年8・9月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。