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イタリア移民がニューヨークに持ち込んだソウルフードを探して


ニューヨーク
19世紀に南イタリアからの移民が持ち込んだキーワード

イタリア統一後、南北格差に苦しんだ南イタリア。南から移民が殺到したニューヨークには、現在のイタリアが忘れてしまったミッシングリンク、20世紀初頭のパスタが、今も粛々と残されている。

辺境のパスタ、最後の地はニューヨークのリトルイタリー。1800年代後半、憧れの地を目指しナポリやシチリア、ジェノヴァから新大陸へ渡った移民たちは、郷愁のソウルフードをアメリカに持ち込んだ。リトル・イタリーには1920年創業の手打ちパスタ販売店「ピエモンテ・ラヴィオリ」が今も健在、1902年創業、NY最古のイタリア料理店「アンジェロ」も営業中だ。老舗のパスタ・ランキングやいかに?リトルイタリアーのレストラン35軒でメニューを全て撮影し、人気ランキングを解析してみると、意外な事実が判明した。ほとんどの店のメニューにあり、北米スタンダードといってもいいのが「スパゲッティ・プッタネスカ」と「アルフレード風フェットゥチーネ」。後者はバターとパルミジャーノを使ったリッチなパスタで、かつてローマにあった同名店の人気メニュー。50年代以降、映画の影響もあって、大ローマ観光ブームが起きた。アルフレードは大繁盛、NYでもそのレシピに追従する店が一気に増えた。現在ローマでその料理名をみかけることはまずないが、NYではあちこちのレストランで、今も作り続けられている。これもローマから海を渡り越境した「辺境のパスタ」なのである。

古典料理は NY の永世定番 スパゲッティ・ アッラ・プッタネスカ Spaghetti alla Puttanesca
リトルイタリーのイタリア料理店35店舗のメニューを解析し、最もオンメニュー頻度が高かったのが「フェットゥチーネ・アルフレード」と「プッタネスカ」。ゆるめにボイル、水気の多い非乳化ソースがアメリカ的解釈だ。ちなみに3番人気は「ミートボールのスパゲッティ」。「アンジェロ」(NY)にて。

写真・文 池田匡克

本記事は雑誌料理王国2014年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 2014年8月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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