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コロナ期におけるグルメサイトの役割とは?「Retty」のこれから


皆さん。お店ってどう探します??私の場合こんな感じです。

SNS検索などから調べる場合や、友達が行った店などから調べることもありますが、
多くは上記の流れでお店を探します。皆さんも大体同じですよね?

今、消費者が店舗とつながる最大の入り口は「グルメサイト」。

探しているお店のサイトに行く前に必ず「グルメサイトで検索し、口コミや写真を確かめる」というステップを今の消費者は行います。お店と消費者をつなぐ仕組みとして、グルメサイトはすでにインフラの一つとなっており、飲食業界とは不可分の関係です。

そのグルメサイトがコロナ流行期にどのような運営をしてきたか?を、インタビューをもとにまとめてみました。今回、数あるグルメサイトの中でRettyを取り上げます。
コロナ期の2020年10月に上場した事、Go To Eatキャンペーンの手数料を店舗に求めなかったことなど、他のグルメサイトとは違う動きをしたRettyについて、代表取締役 武田和也さんにお話を伺いました。

Retty株式会社 代表取締役CEO 武田和也さん

「グルメサイトRetty」とは?

他のサイトが「お店中心型」だとすると、Rettyは人に紐づく「口コミ型」とでも言えるサイトです。SNSとグルメサイトが混ざった、コミュニュケーションがとりやすいグルメサイトというイメージです。

「お店って、信頼できる人の紹介とか、情報って大事ですよね。それをシステム化できないかと思ったのがRettyなんです」と、武田さん。確かに私も、食の好みがあう人や、仲良しの勧めるお店は必ず行きたくなります。

大昔より続く口コミの仕組みを、システムに載せ、多くの人に共有できるようにする。
そして、お店ベースというよりユーザーベースで「あの人とお店のチョイス似ているので、あの人が行っているお店なら好みに合うはず!」と、食の好みの合う人をつなぐ。まさに、口コミの原理を多くの人に伝わるようにした仕組みだと理解しました。

この場合、ポイントとなるのが「実名制」。

匿名ではなく、実名で書くことによりレビューに責任が発生し、情報の精度が上がるし、無責任で一方的なレビューとならず、ポジティブなレビューが集まりやすい。そして、お店側も気軽に投稿者とコミュニュケーションが取れるので、お店のファンが集まりやすく、お店とユーザーの交流が生まれやすいのも特徴だとか。

武田さんの「お店って個性があるし、人により好みも違うので、良いところを中心にして広まるべき」との考え方が生きているシステムです。

お店視点でいうと、「無料お店会員」と「有料お店会員」の2つのプランがありますが、どちらでも掲載できる情報量に違いがないところも面白い特徴です。

コロナ期でのグルメサイトとしての役割とは

コロナの影響は主に飲食店を中心に語られますが、ユーザーを飲食店に送客することが使命のグルメサイトも大きな打撃を受けました。その中でも、Rettyは「業界の仲間」の為に、数々のサポートを行ってきたそうです。

飲食店へ人が行けなくなり、テイクアウトなどが注目され始めると、すぐにテイクアウトやデリバリーに対応。対応が4月9日という事なので、かなり早い対応です。

そして驚くことに、RettyはGo To Eatキャンペーンのサービス手数料を無料でお店に提供しました。私の知る限り、大手で手数料を無料で打ち出したのはRettyぐらいだったのではないでしょうか。

その他にも、「東京都感染拡大防止協力金」申請時における専門家サポートを無償提供したり、緊急事態宣言後のテイクアウトに対する消費者動向調査結果を公開したりと、様々な飲食店を応援する施策を実行しました。

この、様々な施策に「業界を応援したい」と言う熱い気持ちを感じました。私もSNSやメディアからこれらの動きを知っていて「インタビューしたい!」と思った理由はずばりこの動きからでした。

大変な時期に上場した思いとは?

Rettyの最近のトピックスとして、2020年10月30日の東京証券取引所マザーズへ新規上場は外せません。飲食関係が厳しい状況でなぜ上場したのか?武田さんは「もともと予定していたことですが、こんな時期だからこそ、上場することで業界に勇気を与えることが出来れば」と、ビジネス計画の面もありますが、「こんな時期からこそ!」の思いがあったそうです。

長期的に考えた場合、パンデミックは必ず終了します。それを見越しての長期計画の為の施策の面もありつつ、この上場で資金調達が進むので、Go To Eatキャンペーンのサービス手数料を無料など、業界をサポートする事へも目が向ける事が出来たとの事。

ビジネス的に上場による資金調達はさらなるステップアップに欠かせませんが、裏側にこのような思いがありました。

次は、今後どのような事を飲食店に提供していきたいかを伺いました。

4月1日に飲食店向け店内モバイルオーダー「Retty Order」の正式リリースが決定しており、現在では一部店舗での導入が進んでいます。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000110.000004025.html

個人的にすごく注目しているモバイルオーダーシステム「Retty Order」

中華圏などでは一般化したサービスに、自分の情報端末からオーダーができるシステムがあります。ほとんどすべての飲食店はこのサービスを利用しており、中国に旅行に行くと「メニューはない。QRコードから注文して」と言われて面食らう事があります。

日本ではまだまだ普及しておりませんが、これが一度使うとかなり便利。自分の端末で注文できるし、スタッフとの接触が減るので、この時期向けのサービスと言えます。また、テイクアウトなどとの相性も良いサービスです。中華圏とつながりが結構あるので、このサービス日本で広まらないかなーと思っていたので、インタビュー中にこのネタに食いついてしまいました。

個人的に、このサービスが普及すると日本の飲食は大きく変わると思っていまして、オーダーや支払いの手間が劇的に改善され、スタッフへの負担が少なくなるとともに、スタッフが集まらない現状の問題解決と、お店の固定費の削減などにもつながります。そうすることでサービスが広がり、注文する側も慣れてくれば今後の飲食店でのオーダーの主流となるはずです。中国ですとこのサービスに決済システムも付き、会計も席でスマホで完了します。将来的にそこまでを視野に入れているそうなので、今後が楽しみです。

世界一だと思う日本の飲食とともに

取材を終えて、システムに人の温度感を感じているかの理由がわかりました。Rettyはシステムやサービスであるけれど、人と人。店と店をつなぐコミュニュケーションツールだったからです。また、運営する人たちが飲食を本当に好きで愛している感じが凄く伝わってきていたからなのだと。

武田さんは「日本の飲食は世界有数の優れた文化」と言い切ります。私もまさにそうだと感じていますし、多くの方が賛同するでしょう。その文化を支えるのは、飲食店、シェフ、生産者、流通業者だけではなく、店に通う消費者も大事な構成要素。そして、お店と消費者をつなぐグルメサイトも大切な一部です。

まだまだ、コロナでつらい時期が続きますが、徐々に光も見えて来ました。
食にかかわるすべての人と、それを支える消費者とともに、新しいコロナ後の
食の世界が楽しみだと、この度のインタビューを通して実感しました。

改めて、武田和也さんありがとうございました!


▼Rettyについてもっと知りたい!場合はこちら。
https://retty.me/
▼Retty Orderってなんだ?の方はこちら。
https://lp.self-order.retty.me/

取材・文・撮影=菊池一弘
写真提供=Retty株式会社

菊池一弘
株式会社場創総合研究所代表取締役。羊好きの消費 者団体齧協会主席。羊を常食とする地域で育ち、中国留学時にイスラム系民族の居住区に住んでいたことなどから、20代前半まで羊は世界の常識と思ってそだつ。本業は「人を集める事」企画から集客、交渉や紹介など。公的団体の仕事から、個人までできる事なら何でもやるスタンス。最近は四川フェスの運営団体麻辣連盟の幹事長も兼務。監修書籍に「東京ラムストーリー(実業之日本社)」「家庭で作るおいしい羊肉料理(講談社)」がある。



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