「TACUBO」の薪焼きの旨さを科学的な視点で証明!


田窪さんの薪焼きの旨さを科学的な視点で証明してくれるのは、味覚センサーを使って素材や料理の味の数値化に取り組む鈴木隆一先生だ。慶應義塾大学との共同研究で、五味やコクなど、味を〝見える化〞することを目指している。

鈴木先生による「肉をおいしく焼く」科学的解説

鈴木先生は「以前も、炭焼きと薪焼きはどちらがおいしいのかを調べたことがあります」という。牛肉を使った検証で、厚切り肉であれば薪焼き肉の方が旨味が強くなるという結果が出たのだ。

「肉をおいしく焼くためのポイントは、『内部温度』と『メイラード反応』です」。肉に含まれるタンパク質のひとつで、水分を含むアクチンは66度以上で変性し水分を排出する。つまり、内部温度66度が、肉汁として旨味が出てしまう限界点ということだ。メイラード反応とは、糖とアミノ酸の過熱によって生まれる変性で、155度でもっとも活発になり、香ばしさやコクを生み出す。このことから考えると、薪焼きの方が高い熱量を持っているのではないかと、鈴木先生は分析する。「品種、塩、火、焼き時間の観点で測定しましたが、田窪シェフの薪焼きは、もっともおいしさを引き出す焼き方をされているのがわかりました」


続きをご覧になるには、有料会員登録が必要です。
会員登録がお済みの方は、こちらよりログインしてください。



SNSでフォローする