名店のベストペアリング。「天ぷら 銀座おのでら 東銀座店」


ペアリング効果のひとつとして、「リセットする」とか「口の中を洗い流す」ということが挙げられるが、市村さんは、「それだけでは十分とはいえません。洗い流したりリセットしたりした結果、どんな効果が生まれるのか、むしろそこがポイントです。
つまり組み合わせることで、1プラス1が2になるようでは不十分。相乗効果から4にも5にもなる――それでこそペアリングといえます」と自らに厳しいルールを課す。2人の料理人から絶大なる信頼を得ている所以だ。

「フグの天ぷら」

フグの天ぷら×Salon 1997

フグの身の天ぷらとともに、焼きフグと湯引きしたフグの皮にセリを和えたものを提供。アクセントとしてスダチを添えた。フグ身の繊細さに合わせて選んだのは、細かな泡のシャルドネ種のシャンパーニュ。熟成しすぎないシャンパーニュならではの清涼感やミネラル感がスダチの酸味ともよく合う。


今回の3品でも、雑味なくカニのうま味を際立たせたうえに見た目にもエレガントな組み合わせ、フグの繊細さや自然の塩気を活かして清涼感を重視した組み合わせ、ユリ根の大地のニュアンスとカラスミの海の香りにマッチした組み合わせなど、多彩なペアリングテクニックを披露してくれた。

「いずれも贅沢を極めたペアリングで、特にフグのペアリングはお値段も張りますが、長い自粛生活の後ですから、誰もが〝はじけたい〞と思っているのでは――そんな視点で究極を追求してみました」。
進化を続ける「銀座おのでら」のペアリング。どんな爆発力でゲストを唸らせるか、多くの人が注目している。

三浦幸喜(左)・市村暢央(中)・石井宏道(右)

市村暢央(中)/大阪府出身。20歳で渡仏。名門ホテルスクールでホテル経営を学びつつ、フランス全土のワイナリーやレストランを訪ねて知識と経験を培う。帰国後、数々の名店でソムリエとしての実力を発揮し、三つ星店「カンテサンス」には8年間務めてシェフを支えた。2019年、「銀座おのでら」の総括ソムリエに就任。

石井宏道(右)/東京都出身。専門学校卒業後、ホテル日航東京(現・グランドニッコー東京 台場)の「さくら」に就職。「天麩羅 吉野」の副料理長を経て、2013年より、「天ぷら 銀座おのでら 東銀座店」の料理長を務める。

三浦幸喜(左)/富山県出身。18歳から料理の世界に入り、日本料理の名店「京味」で腕を磨く。2019年、「天ぷら 銀座おのでら 東銀座店」に入り、割烹料理の技を活かして「おのでら」の新たな味の世界を拓く。

東京都中央区銀座5-14-14
 サンリット銀座ビルⅢ 4F
TEL 03-6278-8196
11:30~15:00(13:00LO)
18:00~22:00(20:00LO)
無休

本記事は雑誌料理王国319号(2021年12月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は319号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは、現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。



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