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”ヴェーナ”早川大樹シェフの名刺代わりの一皿!「琵琶湖の天然すっぽんと京都豚スペアリブのラヴィオリ」


自身の店を構えて4年目に入った早川シェフが目指すのは「季節を表現するイタリア料理」。通年で出すスペシャリテはあえて作らず、四季折々の素材から得たインスピレーションで料理を組み立てていく。
「琵琶湖の天然すっぽんと京都豚スペアリブのラヴィオリ」はこの夏の新作である。「すっぽんは冬の素材というイメージがありますが、天然ものは初夏の産卵前と秋の冬眠前に脂肪を蓄えて美味しくなります」。パスタではあるが、コースの中の前菜的なポジションに据える。「すっぽんならではのコクのあるスープを味わっていただきたくて」。うだるような京の夏、エアコンを効かせた室内でクールダウンした体を労わるほっこり優しい一品を思い浮かべた。
ラヴィオリの中には、すっぽんの身に加え、ジューシーでうま味の濃い京都産豚スペアリブ、白葱、アクセントにバジリコの新芽を少々。滋養に満ちたスープとつるりとのど越しの良いラヴィオリの相性も良い。濃厚になりがちな一皿をレモンの香りと白ワインビネガーの酸味がすっきりまとめている。
いつのまにか、「イタリアにヴェーナという州があったなら…」とイメージを膨らませるようになったと笑う早川シェフ。笹島シェフから受け継いだDNAに闊達な個性を加味し、イタリアンの新たな可能性を模索し続ける。

琵琶湖の天然すっぽんと京都豚スペアリブのラヴィオリ

材料(作りやすい分量 )

すっぽん(2kg弱)1尾
水、塩、昆布、生姜、白葱の青い部分各適量
京都豚スペアリブ3kg
生姜各適量
白葱適量

・ラヴィオリ生地
強力粉200g
セモリナ粉100g
薄力粉200g
塩5g
トレハロース30g
オリーブ油10ml
コントレックスなど硬水240ml
塩、赤ワインビネガー、白コショウ、増粘剤(海藻原料のもの)、バジリコの新芽、レモンの皮、E.V.オリーブ油、白ワインビネガー 各適量

作り方

1.すっぽんは捌いて内臓を取り除き、水、生姜のぶつ切り、昆布、白葱の青い部分、塩で炊く。身が柔らかくなったら、骨を外して8㎜角に切り、身とだしを分けておく。
2.京都産豚スペアリブは、水、塩、生姜で炊く。肉が柔らかくなったら、骨を抜いて冷やし8㎜角に切り、だしと身を分けておく。
3.1 と 2 の身、8㎜角に切って蒸した白葱を合わせて、塩、赤ワインビネガー、白コショウで味を調えて具にする。1と2のだしを漉して合わせる。その一部に増粘剤を入れて具に加える。
4.3種類の小麦粉と塩、トレハロース、オリーブ油、硬水をフードプロセッサーで合わせて軽く練り、袋に入れて1時間以上休ませる。パスタマシンで0.7㎜の厚さにのばしてバジリコの新芽と共に具を包み、茹で上げて皿に盛る。1と2のだしを合わせたものを温めて張り、すりおろしたレモンの皮とE.V.オリーブ油、白ワインビネガー少々を振る。

2012年、「イル ギオットーネ」京都本店で行われた早川シェフの結婚披露パーティーにてお祝いのスピーチをする笹島シェフ。「ハレの日は本当に美味しい料理でおもてなししたくて、特別にお願いしました」。
早川大樹
1982年、京都府生まれ。2002年、京都「イル・ギオットーネ」のオープン時より笹島保弘シェフに師事。16年12月、「ボッカ・デル・ヴィーノ」出身のソムリエ、池本洋司氏と共に「ヴェーナ」を開業。

ヴェーナ
京都府京都市中京区室町通夷川上る鏡屋町46-3
TEL 075-255-8757(完全予約制)
12:00~13:00LO
17:30~21:00LO
木・金の昼、水、月1回木休

text 山田佐和子 photo 東谷幸一

本記事は雑誌料理王国2020年8・9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年8・9月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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