「全国各地の食材が、どこからでも550円の送料で届くのはうれしいですね」と言うのは、イタリア料理のトップシェフ、本多哲也さんだ。
※送料は本誌22年2月号発売の22年1月時点の金額です。24年7月16日より1,650円に変更となります
選び抜いた食材のみを使い続ける本多シェフは、現在、20以上の生産者と直取引をしているが、その際、送料が負担となる場合も少なくない。そんな本多シェフが、「ヤマトフードマーケット」を利用。宮城県産の牡蠣、群馬県産のカブ、北海道産のユリネを実際に使ってニョッキを仕上げ、その感想を聞かせてくれた。
「食材が届くまでは、『送料が2分の1から3分の1に抑えられるのは助かる』ぐらいにしか考えていませんでしたが、実際に届いたものを使ってみると、非常に新鮮で質もよかった。たとえば牡蠣。加熱しても縮むことなくおいしかったですね。料理人の場合、食材を自分の料理に取り入れるかどうかは、何度か試しに取り寄せてみて、味や香り、食感、個体差などを確認してから決めるのですが、送料が安ければ、いろいろ試せる。利用したいと思う人は多いと思いますよ」
牡蠣同様、カブやユリネも、シェフが好んで使う食材で、こちらも高評価だった。
「カブは繊維が細かくて甘味もあるので、生と加熱、どちらにも向いています。ユリネも大きくて立派。食感を活かしたかったので、今回はカブと合わせてピュレ状にするだけでなく、加熱したままのユリネも盛り付けました」
信頼している生産者とは、20年以上の付き合いになると語る本多シェフ。「ヤマトさんが手がけるこのシステムによる、生産者さんとの新たな出会いにも期待しています。新しい食材が料理のインスピレーションにつながることもありますから」
そうしたさまざまな出会いは、料理人だけでなく、生産者のやりがいや意欲をも高めてくれることだろう。
北海道十勝中央部よりやや南に位置する「大坂農場」で栽培されているユリネ「白銀」独特の甘味とホクホク感が特徴。ユリネはキズや病気に弱いため機械化が進まず、今も手作業が主流だという。
群馬県の赤城山の麓にある「KABA FARM」で栽培されているのは、新潟県の伝統品種の寄居(よりい)カブ。甘味があり緻密できめ細かな肉質が特徴。
牡蠣の養殖に携わって約50年になる「(株)奥松島水産」の牡蠣は、恵まれた自然環境で種から育てられている。丹精込めて育まれた奥松島産 極上殻付き旨牡蠣は、凝縮した旨味と身の締まり具合が格別。