鍋多光介さんと初めて会った時の印象をオーナーの猪飼綾乃さんに振り返ってもらった。
「とにかくセンスがいいって思いました。料理の味付け、盛り付け、そしてファッションも、あらゆる部分にセンスを感じた。それが決め手になりました」
一見、ハイセンスで隙がないようにも感じるが、人当たりはやわらか。そのギャップがまた魅力に。
「常連率が95パーセントなんです」という鍋多シェフ自身が、思わずリピートしたくなるサービス要素のひとつとなっているようだ。
A.心を込めてお作りした料理を、よりおいしいと思っていただくために必要なものです。料理は僕が直接お持ちすることも多いですが、それは僕が一番おいしいと思うタイミングでお客さまに召し上がっていただきたいから。料理人からお客さまへの「優しさ」ともいえますね。
A.「完璧」です。これを求めることですべてが中途半端になってしまうよりは、目の前の料理、すぐに実践できるサービスを着実にこなすことが大切だと考えています。
A.オーナーの猪飼さんの方針で、ほかのスタッフも心がけていることですが、リピートくださったお客さまはできるだけ名前でお呼びすること。お水など無料でご提供できる物は切らさないこと。また、さりげなくお席やお客さま同士の関係性などを伺いながら、どの順番で料理をお出しすべきかなども気遣っています。
A.お客さまとの距離は非常に近いと思いますし、できれば近づきたいと思いますが、敬意は忘れず、決して失礼がないようにというのが適切な距離感でしょうか。
A. はじめのうちは料理を出し間違えたり、注文を取り違ったりということも多かったのですが、それは経験とともに克服できました。
Kosuke Nabeta
ミュージシャンとして活躍した後に料理の世界へ。東京都内の和食店勤務、八王子の「ブラッスリー オコジュ」でシェフを3年間務めた後、2015年から「プレート トキオ」のシェフに。
君島有紀=取材、文 岩橋仁子=撮影
本記事は雑誌料理王国2016年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2016年8月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。