外に向かって大きく開かれた店内。透明ガラスで仕切られたキッチンは作業風景まで見通せる。
「この辺りは飲食店が多く、お客さまの目も舌もかなり肥えています。そんな中でおいしい料理を提供できるのは、もはや大前提。『人』を売れることこそ、選ばれるための大事な条件だと思っています」。
そう語る店長の小林さんが目指したのが「雰囲気と顔が見える」店づくり。小林さんをはじめ、ホールスタッフやシェフの笑顔まで見渡せるから、友だちの家に立ち寄ったような居心地の良さがあるのだろう。
A.「人」を売ることです。楽しい時間をご提供することもサービスのひとつなので、そのためには、私たちスタッフを好きになっていただくことがとても有効だと思っています。
A.逆にサービス面の優先順位を高く保つため、オペレーションを下げている感じでしょうか。ありがたいことに、よく来てくださるお客さまほど、こういった私たちの姿勢を理解してくださるので、「こっちは後回しでいいよ」と言ってくださることが多いですね。
A.日常会話をすることです。お客さまには一様に敬意を払いつつ、なるべく相手のキャラクターを探らず、誰に対してもフラットに、たわいもない話ができるよう心がけています。あとは「イタリア料理店」という枠からはみ出すこと。提供できる美味は何でも提供したくて、タイ料理が好きなシェフなので、一夜限りですがタイ料理イベントを開催したことがあります。
A.懐にグッと入り込むくらいがちょうどよいと考えていて、お客さまとお酒を飲ませていただくこともしばしばあります。
A. わかりやすい例だと、配膳中にお客さまのカバンにカシスオレンジを流し込んだこともありましたが(笑)、お客さまの満足に届かないサービスにとどまってしまった時は、やはり失敗と言えるかもしれません。ただ、そこからしっかりお客さまと話をして、次の満足につなげることは怠りません。
Kenzo Kobayashi
カフェ勤務や、神保町にあるクラフトビール専門店「クラフトビアマーケット」の 店長 などを 経 験 し、 2013年3月に「ガル エデン」をオープン。現在はマネジャーを務める。
君島有紀=取材、文 岩橋仁子=撮影
本記事は雑誌料理王国2016年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2016年8月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。