肉も魚も焼いただけでおいしくなる魔法のソースのつくりかた


「リヴォルノ風ソース」があれば魚も肉も焼いただけで旨い。

竹内啓二さんは、メイン料理は炭火で焼き「シンプルで旨い」をモットーとする。開陳してくれたのはトマトベースの魚介ソース「リヴォルノ風ソース」。これがあれば、炭火焼きがぐっとおいしく楽しめるのだ。

竹内さんは入荷したばかりの金目鯛を前に「脂がのった魚にはソースもしっかりしたものが合う」と言う。

トスカーナ州チェルタルドには「バッカラのリヴォルノ風」という郷土料理がある。タラをトマトソースやハーブと煮込む料理だ。リヴォルノはトスカーナ州西端にある港町で、メディチ家の主要港として繁栄した。この港町の名物は5種類以上の魚介とトマト、ハーブ類を煮込んだスープ「カッチュッコ」。いわゆるブイヤベースに似た魚のごった煮で、これを目当てにフィレンツェから車を飛ばす食通たちも多い。しかし、海から離れたチェルタルドでは、新鮮な魚介は手に入らない。

味の構成は同じでも、スープとは違うリヴォルノ風ソース

そのため、干したり塩漬けにしたバッカラなど、11種類の魚介とトマトソースを合わせて食べる料理「リヴォルノ風」が生れ、ソースとなった。「魚介の旨み」と「トマト」。複数の魚介が入手できない地域では、スープではなくこのソースで魚を食べるようになったのだ。竹内さんは、「双方を合体させて豪華なソースを作ろう」と言う。

カッチュッコの材料アサリ、イカ、タコ、エビ、ホタテなどの魚介を全て投入。「それらをグツグツ煮込むのではなく、しっかりと強火で焼き付けて、トマトソースやネギのうま味と合わせて、"具も食べられるリヴォルノ風ソース"にしました」。

カッチュッコを凝縮させた「食べるソース」と、風味よく焼き上げた金目鯛。ふたつの味が引き立て合う食べ応えのある皿が完成した。

金目鯛の炭火焼とたっぷり魚介類のリヴォルノ風カッチュッコ

最初に炭火で焼く金目鯛は、最後にカッチュッコを煮詰めたソースと合わせて軽く煮込むので、炭床では7割方の火入れに止める。この日は静岡産の金目鯛を使ったが、鯛やマナガツオの炭火焼にも合う。トマトの甘酸っぱさと白ネギのソフリットの甘みが魚介を包む。

竹内さん流「リヴォルノ風ソース」
リヴォルノの名物スープ「カッチュッコ」はタマネギ、ニンジン、セロリなどの香味野菜でソフリットを作りますが、炭火焼の魚を立たせるには、複数の野菜のうま味やハーブは邪魔になると考え、野菜はシンプルに白ネギだけでを使いました。野菜や魚介も長時間煮込むのではなく、それぞれ強火で短時間加熱してうま味を引き出し、具として食べられるように仕上げました。

【材料(2人前)】

金目鯛…180ℊ/塩…適量/オリーブオイル …適量

白ネギのソフリット
白ネギ(みじん切り)…50ℊ/ニンニク…1片/オリーブオイル…適量

ソース
白ネギ(5㎜幅に切る)…30ℊ/オリーブオイル、塩、ショウガの絞り汁…各適量/ニンニク… 1片/魚介類A【足赤エビ…2尾/ホタテ貝柱…2個/ハリイカ、小タコ(食べやすい大きさに切る)…各適量】/ミニトマト …8個/アサリ…8粒/白ワイン…20cc /トマトソース…20ℊ/水…少量

仕上げ
シブレット、エクストラヴァージンオリーブオイル…各適量

【作り方】

1.白ネギのソフリットを作る。鍋にニンニクとオリーブオイルを入れて熱し、オイルにニンニクの香りを移す。みじん切りにした白ネギを入れて飴色になるまでしっかり炒める。

<ここがポイント>
白ネギのソフリットを作る。オリーブオイルにニンニクの香りをしっかりと移しておく。
熱が通ったニンニクは軽くつぶし、鍋にみじん切りにした白ネギを加えて一緒に炒める。

2.ソースを作る。フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、5㎜幅に切った白ネギを入れて塩をし、強火で炒めて、取り出しておく。

約10分後。白ネギがトロトロと、色は飴色になるまでしっかり炒めて完成。
フライパンでオリーブオイルを熱し、5㎜幅に切った白ネギ、塩を加え強火で香りを移す。

3. 2のフライパンにニンニクとオリーブオイルを入れて弱火でゆっくり熱し香りをオイルに移す。Aの魚介類を入れて強火で炒め、香りを引き出す。足赤エビ以外の魚介を取り出す。

<ここがポイント>
炒め終わったネギを取り出し、ニンニクとオリーブオイルを入れて弱火で香りをオイルに移す。
<ここがポイント>
Aの魚介を入れて強火で返しながら焼く。火が入ったら足赤エビ以外の魚介を取り出す。

4. アサリ、ミニトマト、1の白ネギのソフリットを入れ、白ワインを注ぎ、アルコール分を飛ばす。トマトソースと少量の水を入れて蓋をして、強火でアサリの殻が開くまで加熱する。
5. 火を止め、魚介類を取り出し、ミニトマトの皮をはぐ。

アサリ、ミニトマト、白ネギのソフリット、白ワインを加え加熱。トマトソースと水を入れ蓋。
アサリの口が開いたら火を止め、魚介類をすべて取り出し、ミニトマトの皮を剥いでおく。

6. 金目鯛の炭火焼きを作る。金目鯛に串を打ち、塩をふり、表面に刷毛でオリーブオイルを塗り、約7割火が通る程度に、炭火で焼いておく。

金目鯛に塩をして、表面にオリーブオイルを塗り、皮目から炭火で焼く。7分目程火入れ。
金目鯛を入れて火にかけ、魚介類も戻し、ソースと馴染ませる。金目鯛もここで最終火が入る。

7. 5のソースに6の金目鯛を入れ、魚介類も戻し、火にかけてソースと馴染ませる。ショウガの絞り汁を加えて風味づけをし、オリーブオイルと塩で味をととのえる。

ショウガのしぼり汁を数滴加えて風味づけ、味見してオリーブオイルと塩で味をととのえる。
具材は皿に盛りつけ、残ったソースは火にかけ、オリーブオイルを注ぎ乳化させてかける。

8.仕上げをする。具材を皿に盛り付け、フライパンに残ったソースは火にかけ、オリーブオイルを注ぎ乳化させてから皿にかける。シブレットをのせてエクストラヴァージンオリーブオイルを回しかける。

Keiji Takeuchi
1977年岡山県生まれ。サラリーマンを経験した後、洋食屋の料理人を目指し調理師学校へ。『トラットリアピノ』で5年間働き、『ポンテベッキオ』へ入店。3年間本店の厨房で修業。イタリアに3ヵ月滞在し帰国。『ウンゴッチョ』スーシェフを経て10年5月に独立した。

イル ルオーゴ ディ・タケウチ
il luogo di TAKEUCHI
大阪府大阪市福島区福島5-1-26 MF西梅田ビル1F
06-6451-0151
● 11:30~14:00LO 18:00~22:00LO
● 日、第2月休
● 18席


三好彩子=取材、文 山田絵理=撮影

本記事は雑誌料理王国第237号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第237号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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