金華山を望む美しいリアス式海岸で育まれたウニ。その魅力と美味しさを引き出すひと皿を、フレンチ・松本一平シェフにお聞きした。
日本で食べられているウニは5種類ほど。北海道から九州まで産地は幅広く、それぞれ種類と旬が異なる。リアス式の美しい海とその豊かさで知られる三陸海岸で上るのは、キタムラサキウニ。水深5〜10mほどの、海藻が豊かに育つ浅瀬が漁場だと教えてくださるのは、宮城・南三陸町の歌津浜でその加工販売を続ける千葉孝浩さん。
「漁期は5月末から7月末の2ヶ月ですが、舟の上から長竿で採る昔ながらの漁なので、出漁できるかは海況次第。2ヶ月のうち5日間ほどしか漁ができない、というのも珍しくないんです」
旬も獲れる量も限られる代わりに、その時期の美味しさは最高だという。その美味しさを全国に届けたいと、千葉さんが試行錯誤の末に世に送り出したのが、食塩ミョウバン不使用の冷凍生うに「うにお造り」だ。柔らかく、崩れやすい生うにを冷凍処理すると、解凍時に溶けてしまう。これを克服するため、スチームコンベクションでブランチングを行い、マイナス40℃でCAS冷凍。解凍時に酸化しドリップが出ないよう、さらにガス置換・密閉させている。
「ウニはシンプルな食材ですがいろいろな味わいの要素があるので、フレンチではよく使います。冷凍ウニは使ったことがないのですが、これは歩留まりがよくしっかりとしていて、風味もいい。とても使い易いと感じました」
今回、このウニを生かす料理を披露してくれた松本シェフも、その美味しさに太鼓判を押す。
「ひとつ目は、加熱せずシンプルにウニそのものの濃厚な甘味を味わう前菜。もうひと皿は、甘鯛にブールブランとほうれん草、ウニを合わせたソースを添えたものです」
磯の風味が口中に広がるタルト、こっくりとしたソースにウニの甘さが融合したメイン。南三陸の海が目に浮かぶような美味さを、試してみては。
松本一平
1974年、和歌山県生まれ。「ヴァンサン」(東京・六本木)でパティシエ、ソーシエなどの基礎を習得。2000年よりベルギーの1つ星「レッソンシェル」、2002年より「オー・グー・ドゥ・ジュール」「オー・グー・ドゥ・ジュール・メルヴェイユ」のシェフを経て2014年に独立。
La Paix
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木休(月2回 不定休)
旬のキタムラサキウニを冷凍した商品。最も形の良い「松」、松に準じる「竹」、身が少し崩れたものを詰め合わせた「梅」の3種(各60g)。こちらの商品を読者50名に抽選でプレゼント。応募要項はこちらを参照ください。
冷凍うにプレゼントの応募要項とアンケートのお願い
歌津小太郎
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