今、話題のサステナブルが特集の料理王国12月号が発売されました!

編集長の野々山が、料理王国12月号(11月6日発売)の見どころを、編集こぼれ話として紹介。特集「サステナブルで美味しい料理の最前線」の取材で伺ったシンシアの撮影ウラ話は。

編集長の野々山が、料理王国12月号(11月6日発売)の見どころを、編集こぼれ話として紹介。特集「サステナブルで美味しい料理の最前線」の取材で伺ったシンシアの撮影ウラ話は。

シンシアの撮影直前に届いた魚。未利用魚をどのように美味しく調理するか。まさにサステナブルで美味しい料理の始まりです。
シンシアの撮影直前に届いた魚。未利用魚をどのように美味しく調理するか。まさにサステナブルで美味しい料理の始まりです。

サステナブルな料理は今や世界の料理業界ではトップトレンドと言ってもいいほどの課題ですね。肉料理の提供をやめたNYの「イレブン・マディソン・パーク」や、デンマークの「ゼラニウム」など著名店の動向はそのことを如実に示しています。
日本は周りを海に囲まれていて水産資源に恵まれた国。環境に負荷がかかる肉を食べるより、魚文化を大切にすることを、これからはもっと考えてもいいのではないでしょうか。

ということで、12月号の特集は「サステナブルで美味しい料理の最前線」。
シェフたちのお話を伺う前に、海外の最新動向を、人気連載「美食の羅針盤」を執筆中の仲山今日子さんに、食品ロスのお話をジャーナリストの井出留美さんに、それぞれ書いていただきました。そして、「日本の豊かな海を取り戻し、食文化を未来につなぐ」というミッションのもと、活動を続けているChefs for the Blueを立ち上げたフードジャーナリストの佐々木ひろこさんには、日本人が、これからも魚を食べ続けられるためにというテーマで、書いていただきました。
なるほどと思わず頷く内容は、ぜひ本誌でご覧ください。日本のサステナブルの現状と課題が少しでもお分かりいただければと思います。

崩れたキノコも工夫次第で美味しく料理できる。今が旬の食材も使い切ることが大切。
崩れたキノコも工夫次第で美味しく料理できる。今が旬の食材も使い切ることが大切。

Chefs for the Blueを5年ほど前から立ち上げ、水産資源の未来を考える活動をしているシンシアの石井真介シェフ。
「色々発信していると、寿司職人の方の中には、誤解して、マグロを食べるなとはどういうことだと怒る人がいるけれど、僕はうなぎやマグロを10年後も食べたいと思う。漁業現場の現状を知って魚を使うのと、わからないで使うのではリアリティが違う」と言います。
12月号の表紙になったブダイの鱗焼き。鱗が硬いなどの理由でブダイは未利用魚ですが、鱗を剥がして素揚げして、もう一度身に貼り付けて加熱すると見た目も華やかになり、岩のりにウニを合わせたソースで、味もいっそう美味しくなります。この日は他にも、身が少ないためあまり利用されないオオコシマガリエビや、皮が硬いため利用されないクロシビカマスなどを見事に調理していただきました。
調理専門学校に出かけてこうした未利用魚のレシピを披露したり、シイラが各地の漁港でいっぱい上がっているので、それを加工して美味しく食べられるように研究したりと、Chefs for the Blueとしての活動は広がっています。まさに、知らないで使ったり使わなかったりではなく、よく知って使い切るという活動を実践しているのだなぁと納得。
特集では、他にも、京都のチェンチの坂本健シェフ、南青山の慈華の田村亮介シェフ、日本橋のラペの松本一平シェフ、四ツ谷のアブレストランの大村隆亮シェフたちが、サステナブルで美味しい料理を作り、語っていただいています。サステナブルって聞いたことがあるけど、自分には関係ないと思っている方達に、考え始めるきっかけになっていただければと思い、12月号の特集を企画しました。
ぜひ、ご覧いただければと思います。

表紙になったブダイの鱗焼き。乗せている鱗はパリッとしていて、身は脂がのっていてプリプリ。周りのソースが磯の香りで、味のバランスが素晴らしいひと皿でした。
表紙になったブダイの鱗焼き。乗せている鱗はパリッとしていて、身は脂がのっていてプリプリ。周りのソースが磯の香りで、味のバランスが素晴らしいひと皿でした。
オオコシマガリエビとキノコのフラン。食べるところが少なく下ごしらえが面倒なので未利用魚となっているエビも美味しい秋のひと皿に。
オオコシマガリエビとキノコのフラン。食べるところが少なく下ごしらえが面倒なので未利用魚となっているエビも美味しい秋のひと皿に。
クロシビカマス ブルーチーズソース。クロシビカマスは、ハモのように骨切りして調理。ザクザクとハモと同じ骨を切る音がしました。味のバランスはさすが。レシピは誌面で。
クロシビカマス ブルーチーズソース。クロシビカマスは、ハモのように骨切りして調理。ザクザクとハモと同じ骨を切る音がしました。味のバランスはさすが。レシピは誌面で。

シンシアはオープンキッチンで席からキッチン風景がよく見えます。若い方や女性のスタッフが多いシンシアでは、料理人の労働環境改善にも取り組んでいます。休みを増やし、福利厚生を充実させて働きやすい環境を整えていると伺いました。未来に必要なのは、食材ばかりではなく店で働くスタッフも、という考え方から。この素敵な働き方を見るためにもぜひ一度シンシアへお出かけください。

text・photo:野々山豊純

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