熱湯で練った生地は、薄くのばしたり、麺にするだけの伸展性はないので、破れやすくスープを溜めることができない。一方で、熱湯で練るため、生地にはほぼ火が通っており、焼いたり、蒸してから煎り焼くと、上部はモチッとやわらかく、底はパリッと仕上がる。
●煎り焼き餅の生地
材料 でき上がり約225g
薄力粉…150g
塩…1g
熱湯…80~ 95g
ネギ油…6g
●青ネギとベーコンの餡
材料 でき上がり約300g
青ネギ(粗みじん切り)…135g
ベーコン(粗みじん切り)…112.5g
ネギ油…56g
塩…1.5g
(a)熱湯は温度を下げずに一気に
ボウルを湯煎にかけて、一気に熱湯を加え手早く練るのがポイント。好みだが、熱湯の量を多くして練るとさらにやわらかく口溶けのよい生地となる。
2. 巻き終わりを下にしてU字形に曲げ、巻いた筒状の片方の端に他方の端を少しさし込み、軽く押さえてとめる。
3. 手のひらで軽く押さえて平らにし、焼き色がつきやすいように整える。
4. 3を油(分量外)を薄く塗った鉄板に並べて(e)強火で4分蒸し、少量の油を敷いたフライパンで煎り焼いて両面に焼き色をつける。
のばして揚げて中国風のクレープに
煎り焼き餅のような点心は、生地からは炭水化物、中の餡からタンパク質などを一度に摂れる合理的な庶民の料理だったため、食べごたえがあり、どんな餡でも包める生地が喜ばれました。蒸す、焼くに適した生地ですが、薄くのばした2枚の生地でソースを挟んで揚げた中国風のクレープは、アミューズのフィンガーフードなどにも活用できるかもしれません。
江六前一郎=取材、文 村川荘兵衛=撮影
本記事は雑誌料理王国第273号(2017年5月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第273号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。