金柑と黒ゴマの水晶餅『金橘黒芝麻水晶餅』

金柑と黒ゴマの水晶餅

金橘黒芝麻水晶餅(チンジュイヘイジーマーシュエンチンピン)
アミューズやプティフールに!

辻調理師専門学校 中国料理技術顧問 吉岡勝美さん

小麦粉からタンパク質を取り除いた「浮き粉」は、粉の約1.5倍の熱湯で素早く練り上げることで、粉を全て糊化させることができる。浮き粉だけでは粘りが弱いので、粘度の高い片栗粉を加える必要がある。「蒸す」に適し、蒸した餃子は中が見えるほど透明で美しい。寒梅粉や膨張剤を加えることで「焼く」、「揚げる」こともできる。

材料⬥24個分

●水晶餅の生地
でき上がり約500g(以下のうち240gを使用)
浮き粉…75g
片栗粉…75g
塩…1g
砂糖…10g
水…110g
熱湯…225g
浮き粉…20g

●金柑と黒ゴマの餡
でき上がり約360g
◎金柑のシロップ漬け
金柑…3個
シロップ(砂糖50gを水25gで煮溶かして冷ます)…75g
グランマルニエ…40g
イチジク(セミドライ)…12個
黒ゴマ …187.5g
黒砂糖…40g
砂糖…40g
水(湯冷まし)…50g

水晶餅の生地

  1. ボウルに浮き粉(75g)~分量の水までを入れて溶く。湯煎にかけて温める。
  2. 沸騰している分量の熱湯を1のボウルに加えながら麺棒で手早く混ぜる(a)(b)。
点心「水晶餅」の生地を調理。あらかじめ水で浮き粉を溶いた状態。
(a)
点心「水晶餅」の生地を調理している。熱湯を入れ素早く攪拌しているところ。
(b)

(a)(b)冷たくならないように! 熱湯を入れたら素早く撹拌!
あらかじめ水で浮き粉を溶く。湯煎で温めておいたところに熱湯を加え、デンプンを一気に糊化させる。最初に水で溶くことにより、独特の粘りがある生地になる。

  1. 麺台に取り出し、浮き粉(20g)を加えながらまとめる。
    *生地の中に練り込まないようにする。
  2. でき上がりの生地には独特の粘りがある(c)。
    *冷めると生地が扱いにくいのでビニール袋に入れて熱いうちに使う。
点心の水晶餅の生地を練り上げ、粘りのある伸ばした状態
(c)

金柑と黒ゴマの餡

  1. 金柑のシロップ漬けを作る。金柑は針打ちをしてさっとボイルする。シロップとグランマルニエを混ぜた中に浸けて真空パックにし、4日おく。シロップを切って1個を8等分にする。
  2. イチジクは30分蒸し、1個を2~3等分にする。黒ゴマは炒り、ミンチ挽きで一度挽きにする。
  3. 金柑以外の材料を混ぜ合わせる(d)。
    *成形時、これに金柑のシロップ漬けをのせて餡とする。
金柑と黒ゴマの水晶餅の餡
(d)

仕上げる

  1. 生地を10gずつ24個に分ける。麺棒で直径4~5㎝に丸くのばす。
  2. 生地に餡15g、金柑のシロップ漬けひと切れをのせて包む。
  3. 型の内側に薄く油(分量外)を塗り、 2の上面(包み口ではない方)を押し付けるようにして入れ、模様をつける(e)。
  4. 型に入れたままクッキングシートにのせ、強火で10分蒸し、型を外して模様を上に向けてから再び5分蒸す。
点心「水晶餅」を調理している。油を塗った花型に押し付けて成形をするところ。
(e)
点心「金柑と黒ゴマの水晶餅」の一皿。生地から中の金柑の色が透けてみえて美しいお菓子。
金柑と黒ゴマの水晶餅

レストランでのアイディア

6種類の点心をプティフールのようにきれいに並べて盛り付けている。お茶菓子のように角盆にのせている。

プティフールのようにお茶菓子にしても
デザートも点心師の仕事のひとつです。いくつかの点心をプティフールのように盛り付けてお茶菓子としてお出しすることもできます。西洋菓子とともに盛り付けるのも、おもしろいかもしれません。


江六前一郎=取材、文 村川荘兵衛=撮影

本記事は雑誌料理王国第273号(2017年5月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第273号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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