日本のフランス料理が歩んできた道 ~1990年代~ 多様する日本のフランス料理 23年4月号


ガストロノミーの低迷からカフェやビストロに着目

北島素幸(1951~) 77年に渡仏。「トロワグロ」「ジョルジュ・ブラン」等で5年間修業。帰国後、「ドゥ・ロアンヌ」や「パンタグルエル」の料理長を経て独立。
城 悦男(1947~) 67年に渡欧し、スイス、フランス、ベルギー等で修業を積む。76年より銀座「レカン」でシェフを務め、「ヴァンサン」で独立。
photo:Yoshiko Yoda
田辺年男(1949~) 29歳で渡仏し、「ラ・マレ」や「エスベランス」等で修業して40歳で独立。素材には神奈川県三崎港の新鮮な魚と有機低農薬野菜等を厳選。
photo:Yasutaka Hoshino

バブル崩壊を機にフランス料理は「冬の時代」に突入した。「北島亭」「ヴァンサン」「ヌキテパ」などのように、人気を維持した店もあったが、「フランス料理は値段が高く、高カロリーで、店の雰囲気も堅苦しい」などと敬遠する客も出始めた。対してイタリア料理は、値段も安くカジュアル。調理に使うバターやクリームも少ないため健康的とする人もいた。

しかし、こうした逆風を追い風に変えたのが平松だった。平松は1982年の「ひらまつ亭」開店以来、「レストランひらまつ」をはじめ、数々の店舗を展開。「ひらまつグループ」の総裁として躍進することになる。


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text: Kurumi Kamimura


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