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旬の魚を調理するプロの技を大公開!「タロス」馬場圭太郎さん(フライ編)


5年間のイタリア修業の中でも、とくにサルデーニャ島での2年の体験が、今の自分を形作っていると語る馬場圭太郎さん。島に残るフェニキア人の都市遺跡「タロス」が店名。サルデーニャ家庭料理を掲げる。 

羊や豚をおもに食べるサルデーニャでも、「マグロの島」と呼ばれる小島・カルロ・フォルティーナをはじめ、沿岸部では魚介を多く食す。「タロス」も、マグロの胃袋のトリッパやボッタルガのサラダなどのマグロメニューをはじめ、フライなどの魚介メニューが豊富だ。 

馬場さんは、いいカサゴが手に入ったのでと、ズッキーニと一緒にフリットにしてくれた。頭と骨、身を分けて揚げる。頭と骨は低温でじっくりと火を通し、最後は高温でカリッと仕上げる。身は高温で一気に。どこで引き揚げるか――「気泡が消えたら火が通っています。パチパチという音がなくなったらOK。あとは勘です」。普段は、ワカサギ、芝エビ、ヤリイカ、カジキマグロなどを盛り合わせたフリット・ミストとして出している。

「揚げることで素材の水分を抜き、旨味を凝縮する。水分を抜くことでおいしくなるのは、生ハム、ドライトマト、カラスミも同じですね」。シンプルな料理法だが、油の力を借りて短時間で素材の味を引き出すには、料理人の勘と技が必要とされる。

【レシピ】カサゴとズッキーニのセモリナ粉フリット

セモリナ粉をまぶしたカサゴの、カリッとして弾力のある口当たりと、ズッキーニのフワッとした食感のコンビネーションがみごと。骨はパリパリに揚がっていて、食べられる。仕上げにふった塩と油が、カサゴの旨味を引き出している。華やかな盛り付けはサルデーニャ風。冷えたサルデーニャ産の白ワインとともに、手でつまんでもらうことを狙った。

[材料](カサゴ1尾分)

カサゴ…1尾
ズッキーニ…1本
セモリナ粉…適量
小麦粉…適量
炭酸水…適量
セロリ…1本
ミニトマト…4個
レモン…1/2個
イタリアンパセリ…適量
揚げ油…適量
塩…適量

[作り方]

1.カサゴの下処理をする。ウロコと内臓を取り除き、三枚におろす。頭と骨は流水で洗い、身は4等分に切り分ける。
2.カサゴの口に串を刺し、口を開けた状態を保つ。頭と骨、身にそれぞれセモリナ粉をまんべんなくまぶす。
3.180℃に熱したたっぷりの油で、まず頭と骨をこんがりと色づくまで揚げ、塩をふる。
4.油を200℃以上に熱し、身をすべて一気に入れ、色づくまで揚げて塩をふる。
5.ズッキーニは、カサゴの身と同じ大きさくらいになるように切る。小麦粉と炭酸水で衣を作る。ズッキーニを衣にくぐらせて、200℃の油で揚げ、塩をふる。
6.器にカサゴとズッキーニを盛り、ざく切りにしたセロリ、半分に切ったミニトマト、花形に切ったレモン、イタリアンパセリを添える。

POINT
セモリナ粉をまんべんなくつけて高温で揚げる

カサゴといえば、丸ごと1尾を揚げることが多いが、馬場さんはひとひねりして、頭と骨、身に分けて揚げ、ズッキーニのフリットを添えた。魚の水分を拭き取ると、セモリナ粉が落ちてしまうので、決して水分を拭き取らないことがポイント。ざるにセモリナ粉をたっぷり入れ、魚を投入。ふるいながら余分な粉を落としていくと、うまい具合に粉をまぶすことができる。ズッキーニはセモリナ粉が付きにくいので、炭酸水で溶いた小麦粉の衣で揚げる。いずれも油は高温で、一気にカリッと揚げる。

馬場圭太郎さんが使った魚

カサゴ

江戸時代、その勇ましい姿で武家に好まれ、端午の節句に飾られる縁起のよい魚だった。脂がのって身は締まり、そのおいしさが、日本でもヨーロッパでも好まれてきた。馬場さんは築地の「ムカイ」から仕入れている。これは長崎県産。

タロス 馬場 圭太郎さん
1971年新潟県生まれ。イタリアで5年間修業。うちサルデーニャ島で2年ほど働く。帰国後、魚介料理専門店の赤坂「ラ・スコリエーラ」料理長などを経て、2007年に渋谷に同店をオープン。

タロス
東京都渋谷区道玄坂1-5-2 渋谷SEDEビル1F
☎03-3464-8511
●11:30~14:00LO(土祝12:00~14:30LO)、ティータイム14:00~15:00LO、18:00~22:30LO
●日休
●www.tharros.jp

本記事は雑誌料理王国207号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は207号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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