【ラ・ブランシュ】日本人として愛すべき食材をよりおいしく


食材との感動の出合いが 新たな料理を生む

二皿目は、「サワラのミ・キュイビーツソース」。庄内の一本釣りのサワラを使った一品だ。サワラはサラマンダーを使い弱火で6〜7分程度、ほんのり火を入れて甘味を引き出してから、バーナーで表面を炙り香ばしい香りをつける。これに酸味と甘味のあるビーツのソース、紫キャベツのサラダを添える。紫キャベツはオイルを引いて火にかけたフライパンに軽く手で押し付けることでオイルをなじませ、風味を増している。さらに柿やオクラなどを刻んで合わせた粘りのある副菜と、オーブンで焼いたミカンを添える。さまざまな食感・味わいとともにサワラの魅力を楽しませてくれる一皿だ。

サワラに添える紫キャベツのサラダは、一度フライパンでオイルをまとわせることで味わいがまったく変わってくるという。副菜ひとつにも手間をかけ、味わい深い一皿を作り上げる。
サワラに添える紫キャベツのサラダは、一度フライパンでオイルをまとわせることで味わいがまったく変わってくるという。副菜ひとつにも手間をかけ、味わい深い一皿を作り上げる。

「食材と出合った時のドキドキするような感動がエネルギーになり、新しい料理のイメージが生まれる」と言う田代さん。つねに食材や料理に対する思いを強く持っていることが大切だ、と教えてくれた。「店に新しいスタッフが入ってくると、最初は険悪なんですよ。お互いに自分の料理がいちばんおいしいと思ってるから。でも徐々にお互いを認め合い、私もスタッフから良い刺激を受けます。それもお互いが強い思いを持っているからこそできること。そんななかで料理を作り続けながら、日本人としての自分、仕事、生き方を見つめることで、また新たなパワーが生まれるんです」。

LaBlanche ラ・ブランシュ 田代和久さん サワラのミ・キュイ ビーツソースの一皿

サワラのミ・キュイ ビーツソース
庄内のサワラを繊細に火入れし、さまざまな副菜の味わい・食感とともに楽しむ一皿。副菜にもミカンや柿、ショウガなど日本ならではの食材がふんだんに使われている。

食材への思い、料理への思いで技術は磨かれる

自ら試行錯誤を重ね生み出してきた調理法を丁寧に説明しながら調理を進める田代さん。徹底的に「おいしい」を追求するために磨いてきた技術を惜しみなく教えてくれた。

「ラ・ブランシュ」 田代和久さんがフライパンで紫キャベツをr¥調理している

田代和久/Kazuhisa Tashiro
1950年福島県生まれ。
料理学校を卒業後、都内やフランスのレストランで修業し1986年「ラ・ブランシュ」をオープン。東日本大震災の復興で福島料理人応援団のひとりとしても活動。

LaBlanche ラ・ブランシュ 田代和久さん

ラ・ブランシュ
La Blanche
東京都渋谷区渋谷2-3-1
青山ポニーハイム 2F
03-3499-0824
● 12:00~13:00LO、18:00~20:30LO
● 火水休
● コース 昼3800円~、夜7800円~
● 18席


河﨑志乃=取材、文 今清水隆宏、中西一朗=撮影

本記事は雑誌料理王国284号(2018年4月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は284号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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