まだ知られざる中国料理の技術「水発」「油発」


まだ知られざる中国料理の技術を伝える
麻布長江 香福筵 田村亮介さん

どの料理にも勝る技法の種類を持つという中国料理の中でも、特に乾物が好きだと言う田村さん。扱うための感覚をつかむのが難しい食材だが、日々の鍛錬の中で得た技術をもとに、日本ではまだ知られていない乾物の魅力を紹介する

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幅広く、奥深い中国料理の乾貨(乾物)の世界

田村さんが「技術の伝承」の題材に選んだのは、中国料理の中でも重要な食材のひとつである乾貨(乾物)。「中国料理の乾物の戻しは奥の深い技術です。乾物自体にも個体差がありますし、同じものであっても微妙な温度やかける時間の違いによって戻り具合が変わります。何度もやりながら自分で感覚をつかんでいかなければならない難しい技術なんですよ」と田村さん。また、本来は天日干しで作られる乾物を食することを通して太陽のエネルギーを体内に取り込む、という医食同源の考え方も大切であると語ってくれた。

応用可能な食材と【乾物】の戻し方、「水発」と「油発」

中国料理に使われる乾物としてはフカヒレ、ナマコ、アワビ、ツバメの巣の四大珍味をはじめ、貝柱やエビ、魚の浮き袋などがよく知られるところだが、今回は比較的安価で珍しさもあり、他のジャンルでも応用できるのではないかという豚のアキレス腱とスルメイカを使用。
さらに、乾物を戻すには水で戻す「水発」と油で戻す「油発」のふたつの方法があることから、その両方を実演した。もともと乾物が好きで、日頃からさまざまな乾物の戻しに挑戦しているという田村さん。その経験と得られたデータをもとに、中国料理ならではの技術を伝承する。

料理を盛り付ける中国料理の田村シェフ

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