名匠のスペシャリテ「シェ・イノ」井上旭さん


私がパリのマキシムで修業したのは1971年から翌年にかけてのこと。その頃のマキシムといえば、明治の鹿鳴館ではないけれど、貴族から政財界、芸能界、モード界の大物が集う社交場だった。オペラがはけると、着飾った紳士淑女がマキシムにやってきて10時半くらいからもう一度盛り上がる。世界の歌姫、マリア ・カラスさんもオナシスさんとよくいらっしゃった。私は厨房からそんな華やかな世界を見て、もうびっくり仰天したわけだ。


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