これまで北インドのスパイスカレーをご紹介してきましたが、今回からは南インド編。しかも、連載初のシーフードを使ったカレーの登場です。
海側に位置する南インドでは、さまざまな料理にシーフードが使われていて、さらにカレーリーフというスパイスが欠かせません。カレーリーフは南インドやスリランカ料理の味を特徴づけているもので「どんな食材との相性も良く、葉がほんのりカレーのような香りがするのでカレーリーフと呼ばれているんですよ」とノグチさん。
今回は、ノグチさんが自宅で栽培しているという生のカレーリーフを使い、エビとココナッツがたっぷりで、ほんのりライムの香る爽やかなシーフードカレーを教えていただきました。
「シーフードと相性の良いブラウンマスタードシードを使いますが、マスタードはココナッツオイルとの相性も抜群なんですよ。煮込み時間が短く、誰でも失敗なく美味しく作れます。エビ以外にもイカ、ホタテ、白身魚などアレンジも可能です。ぜひチャレンジしてみてくださいね!」(ノグチさん)
材料(4人分)
エビ…12尾
タマネギ…1個
ライム絞り汁…1個分
ココナッツオイル…大さじ3
ニンニク…1片
ショウガ…1片
ココナッツミルク…400ml(2号缶)
カシューナッツパウダー…70g
ココナッツロング…大さじ2
トッピング:パクチーの葉適量
<はじめのホールスパイス>
ブラウンマスタードシード…小さじ1
カレーリーフ…10枚
<2番目のパウダースパイス>
ターメリックパウダー…小さじ1
レッドチリパウダー…小さじ1/2
コリアンダーパウダー…大さじ1
塩…小さじ1
<最後のスパイス>
カレーリーフ…10枚
生クリーム…大さじ1
<作り方>
(1) 下準備として、エビの殻をむき背わたを取り、タマネギは粗みじん切りにする。ニンニクとショウガをそれぞれすりおろし、ライムの果汁を絞っておく。カシューナッツはフードプロセッサーでパウダー状にしておく。
(2) 中火で温めた鍋にココナッツオイルを入れて溶かす。フライパンを傾けてオイルを集めたところに「はじめのホールスパイス」を加える。ブラウンマスタードシードをまず入れて、プチプチ弾けるような音が静まってきたらカレーリーフを入れ、緑の葉が薄い茶色に変わるまで炒める。
【Point】ブラウンマスタードは跳ねることがあるので、フライパンの蓋をかざして防ぎましょう。
(3) カレーリーフは比較的早く色が変わるので、タイミングよくココナッツロングを加える。ココナッツロングは炒めるとすぐ色が変わるので、茶色に色づき始めたら玉ねぎを加え中火強で炒める。
(4) 玉ねぎは焼くようなイメージで、時々かき混ぜながら焼き色を付ける。全体がきつね色になったらニンニク、ショウガを加える。ニンニクの香りが立ち、全体の香りがまとまってきたら火を弱火にして「2番目のスパイス」と大さじ2の水(分量外)を加え、3分ほど炒める。
【Point】パウダースパイスは焦げやすいので、加える前に一度火を弱めます。
(5) カシューナッツパウダーを加える。ダマになりやすいので2〜3回に分けて炒め合わせる。次にココナッツミルクと水を加える。煮立ってきたら、火を中火弱にしてエビとライム汁を加え蓋をして3〜4分煮る。(1回蓋を開け、鍋底からかき混ぜる)エビの色が赤くなって煮えたら、「最後のスパイス」としてカレーリーフを入れ、1分ほど混ぜながら煮て塩調整したら出来上がり。トッピングのパクチーを散らす。
【Point】ドロっとして硬いと感じたら、水を100ml程度加えて調整してください。
シャンカール・ノグチ
1973年、東京都生まれ。インド出身の祖父が立ち上げた「インドアメリカン貿易商会」の3代目経営者を本業とし、インド食品の輸入、オリジナル商品の開発・販売に携わる。日印混合料理集団「東京スパイス番長」のリーダーであり、「東京カリ~番長」の元・貿易主任。2016年以降は、日本でスパイスカレーを盛り上げるべく立ち上げた新ユニット「カレー将軍」のメンバーや MLAオーストラリア食肉家畜生産者事業団の「ラムバサダーのメンバー」として活躍。著書に「世界一やさしいスパイスカレー」「ハーブ&スパイス事典 世界で使われる316種」新書にカレー将軍著「スパイスカレー弁当」などがある。
※河出書房新社より「スパイスの世界へようこそ」が再販されました。
http://www.spinfoods.net
田中英代=取材、文 小沼祐介=撮影
text by Hanayo Tanaka photos by Yusuke Onuma