東京で世界のスパイス&ハーブを堪能できるお店6選


【新宿】バンタイ
パッペッ(肉と赤カレーペースト炒め)

独特のスパイスとハーブがクセになる味を作り出す

 今回の料理、パッペッには多くのスパイスやハーブが使われているが、特徴的なのは、生の黒コショウ。噛むとしびれるような辛さがあり、プチプチした食感も楽しい。

 ほかに、トウガラシは辛味、バイマックルーは肉の臭みを取り香りをつけるといったように、それぞれ役割があり、それが、バランスの取れた味わいを生む。黒コショウを噛んで刺激が口に広がったところに、グラチャーイの爽やかな風味が重なり、辛さをやわらげるという具合だ。

 香り付けの役割はバイマックルーやホーラパー。「バイマックルーは炒めることで香りが立つので最初に、ホーラパーは香りが飛ばないように最後に入れます」とソンポンさん。同じ役割でも入れるタイミングを変え、そのよさを引き出している。

使用スパイス&ハーブ
赤カレーペースト、ニンニク、生トウガラシ(赤・青)、ホーラパー、バイマックルー、生黒コショウ、グラチャーイ

奥の葉は、バイマックルー(こぶみかんの葉)。ちぎって香りを出して使う。房状のものが生黒コショウ。手前がショウガの一種のグラチャーイ。
ニンニクとトウガラシを油で炒めたところに赤カレーペーストを加えて香りを引き出し、ハーブ、スパイス、野菜を一気に加えて絶えず炒め、鶏肉も加える。
ホーラパーは、調理の最後に加えて香りを生かす。ホーラパーとはスイートバジルのこと。タイのものは香りが強い。

タイ
古くから東南アジアの貿易拠点として、さまざまな物が行き来していたタイでは、食品や調味料も多くの国から入ってきた。欠かせないスパイスはトウガラシで、辛いイメージが強い。しかし、そこに酸味や甘味、多様なハーブの香りが加わり、複雑でクセになる味わいを作り出す。ハーブでよく使うものは、パクチー、レモングラス、バイマックルー、バジルなど。いずれも香り高いハーブで、この香りこそがタイ料理の特徴のひとつ。

バンタイ
BAN-THAI
東京都新宿区歌舞伎町1-23-14 第1メトロビル 3F
03-3207-0068
● 11:30~15:00、17:00~23:45(23:00LO)
※ 土日祝は通し営業
● 無休
● 110席
ban-thai.jp


荒巻洋子=取材、文 林 輝彦=撮影


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