東京で世界のスパイス&ハーブを堪能できるお店6選


【曙橋】タシデレ
ギャコック

チベット料理に欠かせないチリパウダーと八角

 昨年オープンした「タシデレ」は、チベット人オーナーによる東京唯一のチベット料理店。

 チベットの伝統料理・ギャコックは「ギャ」が「100」、「コック」が「鍋料理」を意味する、具だくさんの鍋料理だ。具やスープにとくに決まりはなく、地域や家庭によって入れるものは異なる。

 チベット料理は、インドに近い地域ではチリパウダーを、中国に近い地域では八角をよく使うのだが、このギャコックは、八角を使っている。ベジブロスに牛乳とバターを合わせ、八角で風味づけしたスープで、ラム肉や揚げた豚肉、鶏肉団子、豆腐、ニンジン、タケノコ、キノコ、春雨、キクラゲなどを煮込む。スープとさまざまな具から出た旨味を、八角のやさしい甘さがまとめてくれる。

使用スパイス&ハーブ
八角(スターアニス)

八角はホールではなくパウダーを使うことで味が全体に行きわたる。
ギャコックのスープは、最後に八角のパウダーを加えて完成。このスープでさまざまな具を煮込む。
自家製のチリソースは、タマネギ、トマト、チリパウダーを炒めて作る。チリパウダーもチベット料理に欠かせないスパイスのひとつ。辛い料理が好きなチベット人が多いので、チリソースは辛味の調節に欠かせない。チベット料理の定番、モモ(蒸し餃子)などにもつける。

チベット
チベットは山々に囲まれた高地のため、食材や料理の種類、味つけは限られている。また、地域ごとに隣接した国の影響がみられる。料理に使う肉はチベットに生息するヤクや羊、ヤギなどが多く、それらの乳製品もよく食べられる。1956年のチベット動乱後、インドやネパールに亡命した人が多く、チベット料理はチベット高原を中心に、ネパール、インド北部、ブータンなどチベット系住民が多く住む周辺国や地域でも食べられている。

タシデレ
TASHIDELEK
東京都新宿区四谷坂町12-18 四谷坂町永谷マンション1F
03-6457-7255
● 11:30~15:00、17:00~22:00(21:30LO)
※ 土日は通し営業
● 日休
● 28席
※ギャコックは要予約。

03-3432-0368
● 11:30~15:00、18:00~23:00
● 日休
● 18席


平山祐子=取材、文 林 輝彦=撮影

本記事は雑誌料理王国第264号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第264号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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