『名店と取り組むYouTube料理動画』03:アクアパッツァ


料理動画の反響と、始める人へのメッセージ

教えてもらいたい気持ちもあり、すぐにロピアさんのお店がある長野に飛んで、ロピアさんと一緒に6本収録。5月半ばに6夜連続で公開すると、大ヒットを記録した。「コメントもたくさん寄せられて、背中を押されましたね」。
すぐに撮影チームを探して、7月中旬には収録。7月31日、日髙さんはついに自身のチャンネルを開設した。

「驚いたのは、20代から40代の若いお客さまが増えたことです。YouTubeで紹介したレシピにトライした人たちが、味を確認するために店に足を運んでくださるようなんです」。
視聴者のほとんどが男性。それも、25歳から40歳がダントツで多い。「ときには奥さまがサプライズで予約してくださり、私がお席までご挨拶にうかがったら、ご主人がたいへん驚かれて……。目頭を熱くされているのを拝見して、今までとはちょっと違う喜びを感じることもしばしばです」。

最近では、高画質な動画が撮影できる「OSMOPOCKET」で、日髙さんが店内や厨房、スタッフたちの仕事ぶりを撮影。自身がインタビュアーとなってスタッフたちの話を聞くなど、料理だけではない〝楽しみ〞も提供している。「お客さまが『あっ、○○君』と声をかけてくださることもあり、スタッフもモチベーションが上がるみたいです」。

最後に、これからYouTubeを始めようと思っている料理人の皆さんにメッセージをください、とお願いしてみた。「あまり難しく考えずに、目の前のお客さまに自分の思っていることを伝えるような気持ちでやってみるのが、いいんじゃないかな」。
目の前に、日髙さんの穏やかな笑顔があった。

鶏モモ肉のゴボウマルサラ酒煮

日髙シェフによる「鶏モモ肉のゴボウマルサラ酒煮」の一皿。
鶏モモ肉のゴボウマルサラ酒煮

大きめにカットした皮付きゴボウ、ゴボウのペースト、細切りにして素揚げしたゴボウと、3種類のゴボウの味わいが楽しめるのがポイント。鶏モモ肉と3種類のゴボウをソースがひとつにまとめ上げ、食べ応え十分な味わい深いひと皿に。

鶏モモ肉と大きめにカットした皮付きゴボウをオリーブオイルで炒め、サッと焼けたらマサラ酒を入れる。さらに、ブイヨンとフォン・ド・ボーを入れて煮詰める。好みでバター20gほどを入れてもよい。ゴボウのペーストを敷き、鶏モモ肉とゴボウを盛り付ける。

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リストランテアクアパッツァ 日髙良実シェフ

日髙良実
1957年、兵庫県神戸市生まれ。調理師学校を卒業後、86年に渡伊。「エノテカ・ピンキオーリ」「グアルティエーロ・マルケージ」「ダル・ペスカトーレ」などの名店も含め、3年間イタリア全土で修業をする。90年11月、東京・西麻布に「リストランテ アクアパッツァ」を開く。その後広尾を経て、2018年に現在の場所に移転。

リストランテ アクアパッツァ
東京都港区南青山2-27-18パサージュ青山2F
TEL 03-6434-7506
11:30~15:00(14:00LO)、17:00~23:00(20:30LO)
年末年始休、不定休あり
https://acqua-pazza.jp/

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text: Shoko Yamauchi photo: Gaku Yamaya

本記事は雑誌料理王国320号(2022年2月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は320号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは、現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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