2021年11月1日(月)~30日(火)の1ヶ月間、東京、神奈川のレストラン76店が、福井県の美食材をつかったオリジナルメニューやコースを開発し提供しました。
使用された食材と料理、そしてご協力頂いたレストランをご紹介します。
和の高級食材として知られているブランド食材「若狭ぐじ」。釣りやはえ縄(魚のみを傷めない漁法)で、丁寧に漁獲され、鮮度、姿形、重量といった厳しい条件をクリアしたものだけが「若狭ぐじ」を名乗ることができます。
福井県の甘えびは、海底が綺麗な近海の砂泥地に生息しており、ねっとりとした濃厚な甘さは独特の絶品です。漁獲量は、全国4位(2018年)です。その中でも、漁期と大きさにこだわった、鮮度の良いものを「ふくい甘えび」としてブランド化しています。
福井で漁獲されるかれい(アカガレイ)の代表格。身が厚く、焼き物や揚げ物、煮付けだけではなく、福井ではお刺身で食べます。鮮度が落ちやすい魚ですが、漁業者が自ら「活締め」「神経抜き」を学び、鮮度維持を実現し、刺し身での提供が可能となっています。
ミディサイズのトマト「越のルビー」は、大玉トマトと比較して3〜4度糖度が高く、平均して7〜8度あります。甘さと酸味のバランスが良く、料理にも使いやすい食材の一つとして、プロにも、家庭でも愛用されています。
足かけ3年じっくりと時間をかけて栽培されるらっきょう。時間を経て、逆に身は小さくなり、繊維が細かくなるのでシャキッとした歯ごたえになります。
冬の味覚の王者と呼ばれている福井県の特産品です。福井沖の日本海の冷海水で育った越前がには、身がしっかりと詰まっており、その味はみずみずしく適度な甘みが感じられます。かにみそは、濃厚な深い味わいで、足の身を入れ混ぜて食べると絶品です。
福井県内の最大の産地三方五湖周辺は、歴史も古く、江戸時代から栽培が行われています。在来の「紅映(べにさし)」は種が小さく、果肉たっぷりで、うま味成分のアミノ酸を多く含んでいます。
名水の地である大野市上庄(かみしょう)地区で江戸時代から栽培されている里芋です。上庄地区の寒暖差の大きな気候と水はけの良い土壌で身が引き締まり、煮崩れがなく、独特の甘みがある里芋になります。
とみつ金時は福井県あらわ市の富津地区の日本海近くの赤土を含む山砂の土壌で栽培され、徹底した温度・湿度管理を行うキュアリング貯蔵により甘みがまし、美味しくなります。
福井は、ウェブ調査(2021年3月)「蕎麦がおいしい県」で圧倒的な1位として選ばれるほどです。その理由の一つが、作付けのほとんが在来品種であるということが言えます。在来種は、実が小さく収量は少なくなりますが、蕎麦本来の味・香りを楽しめる、真の「蕎麦好きのための蕎麦」と言えます。
福井県生まれの酒米「さかほまれ」は、原料が全て福井産の大吟醸酒を造るために、8年かけて開発されました。日本酒の味を左右する粒中心部の「心白」の発現率がよく、大吟醸に必要な50%精米を大きく上回る35%精米にも耐えられます。開発から10年、2020年から酒米、水、酵母の原料全てが「オール福井産」の地酒が世に送り出されるようになりました。
福井県はコシヒカリ発祥の地である米どころ。いちほまれは、平成30年生まれで、約20万種から選び抜かれた新しい福井県のブランド米です。絹のような白さと艶、粒感と粘りの調和が特徴です。
2色のリゾット
福井の甘えびは、ねっとりとした濃厚な甘さが独特で絶品です。甘えびのうまみたっぷりのだしで、福井県発祥のコシヒカリを、アルデンテに焚きあげたリゾット。もう1色は、福井が生産量日本一を誇る六条大麦。お米のアルデンテに負けない歯ごたえ、ピスタチオの心地良いコリッとした食感と良くあう至福の一皿。
有馬 邦明さん
イタリア料理店で修行の後、1996年にイタリアに渡りフィレンツェやミラノなどで2年間修業を積む。2002年から門前仲町に『パッソ・ア・パッソ』をオープン。旬の食材を求めて全国の生産者を訪ね歩くことをライフワークにしている。
ふくいサーモンの低温調理
ふくいサーモンは福井の海が低温環境であることを生かして育てたトラウトサーモン(ニジマス)です。芳醇なうま味、上品な脂の乗りで後味もさっぱりしています。それを低温調理したことで、しっとりとした上品な一皿に。主張しすぎない脂と旨味が、ソースと抜群なバランスの一皿です。
松崎 芳洋さん
都内のイタリアンレストランなどを経て、2021年5月にオープンした「ピッコラ ポルタ」のシェフに就任。調理のテクニックとしての軸足はイタリアンに置きながら、福井の多彩な食材を生かした自分の料理を目指している。
若狭湾産甘鯛のグリエ ワトム農園のお野菜 三年子花らっきょうのレモンビネガーソース
若狭湾産の甘鯛の中で選び抜かれたものを若狭ぐじといい、和の高級食材として知られている福井のブランド食材です。こちらは、ウロコをカリッと揚げ焼きに。そして、足かけ3年じっくりと栽培される福井の三年子(さんねんご)らっきょうは、シャキッとした歯ごたえ。ハーブやレモンとともに酸味、苦みの多彩さを演出します。
鴨田 猛さん
箱根「オーベルジュ・オーミラドー」などを経て、フ ランスやベルギーで3年に渡り腕を磨く。フランス滞在中、ミシュラン三つ星「ル・ジャルダン・デ・サン ス」の料理に感銘を受け、日本支店「サンス・エ・サヴール」に入店。2012年から料理長として活躍する。
スペアリブと里芋の豆板醤ソース
小ぶりで煮崩れしにくい上庄(かみしょう)さといもは、名水の地である福井県大野市上庄地区で栽培される里芋です。不思議なことに、他の地域で栽培しても、上庄さといもの特長は再現できないそうです。身質が詰まってねっとりと濃い味わいの里芋は中華のパンチのある味付けにも負けない美味しさです。
門口 幸一さん
30年以上この店の厨房を預かる総料理長の片腕として活躍し、今やシェフとして厨房を任されている。中華料理の技法はそのままに、北京料理をベースに日本人の味覚に合う優しい料理が基本。旬の食材を積極的に料理に使うことにも取り組んでいる。
越前おろしそば
福井は、知る人ぞ知る日本一の「在来種そば」王国です。大野在来、丸岡在来など県内各地に在来種があり、生産されるそのほとんどが在来種。在来種は、そば本来の香りが大きな特長。「越前おろしそば」は、そばに大根おろしをのせて出汁をかけて食べる福井ならではの食べ方で、そばの香りを存分に堪能できます。
石森 悠さん
神楽坂の「九頭龍蕎麦本店」で福井料理を学んだ後、「もっと福井の料理を突き詰めたい」との思いが募り、福井県へ。料理店で働きながら、福井の伝統食、保存食など福井の食のバックボーンを深く学ぶ。2021年に東京に戻り、「九頭龍蕎麦」料理長に就任。
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