食の未来が見えるウェブマガジン

五感を呼び覚ます「情動」ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008

五感を呼び覚ます「情動」ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008

ヴィンテージイヤーにしか誕生しない特別なシャンパーニュ、ドン ペリニヨン。この度、12年の眠りから目覚めた、ロゼの最新ヴィンテージ、「ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008」のお披露目会が行われた。今回のヴィンテージのテーマは「未知へのスリル」。レディー・ガガの世界観とも重なるアバンギャルドなブランドが生み出した、情動を揺さぶる世界観とペアリング体験とは。

多くの人は、生まれた瞬間の記憶をもたないだろう。私もそのうちの一人だ。
しかし、真っ赤な照明に照らされた、細い道に身を置き、アンビエントな音楽が流れる中歩を進めると、時計の針が、時間軸と反対に回っているかのように錯覚させられる。一歩、また一歩。柔らかい絨毯が足を受け止めるのがわかる。これは自分が生まれる瞬間のデジャヴなのではないか。
遥か先には、ドン ペリニヨンのロゴが浮かぶ。暗がりの中道標のように飾られているのは、ドン ペリニヨン ロゼのボトルだ。

五感を呼び覚ます「情動」ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008

会場の入り口に飾られているボトルは、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」のように、シルバーのオブジェから、生まれ出たように佇んでいる。
暗く、照明が落とされた会場。あかりは、命の色、赤いライトのみ。何かが生まれる瞬間の、混沌の色だ。

五感を呼び覚ます「情動」ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008

そもそも、なぜシャンパンは、祝祭に欠かせない酒となったのだろう。勝利を祝い開くシャンパンシャワー。特別な祝いの席で掲げられるグラス。その理由は、ボトルから湧き出す泡が、私たちの情動と直結しているからではないだろうか。

右脳がうみだす「情動」は聴覚や視覚とダイレクトにつながっている。今回のイベントのテーマは5つのフェーズ。DJによる5つのテーマに沿っての音と映像で、参加者を五感の旅に誘う。

五感を呼び覚ます「情動」ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008

最初のテーマとなったキアロスクーロ(Chiaroscuro)とは、明暗のコントラストで表現するイタリア絵画の手法。黒と白、つまり黒葡萄 ピノ・ノワールと、白葡萄 シャルドネのコントラストでこのヴィンテージの個性が浮かび上がる。

五感を呼び覚ます「情動」ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008

そして、ここに秘められたもう一つのコントラストは、前醸造最高責任者、リシャール・ジェフロワ氏が手掛けた最後の作品「ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2008」と、同じヴィンテージながら、現醸造最高責任者、ヴァンサン・シャプロン氏の「ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008」の対比だ。クラッシックな醸造法をとるジェフロワ氏と、データを取り、科学的な分析に基づいて、既成概念にとらわれないユニークな造りを行うシャプロン氏。二人の作り手の対比をも楽しめる。

五感を呼び覚ます「情動」ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008

そして、この「未知へのスリル」というテーマに合わせ、五感を揺さぶる料理を作るのは、2022年版「アジアのベストレストラン50」3位、東京・青山「フロリレージュ」の川手寛康氏。映像や音楽と共に、ここから始まる、5皿の光を当てることで、このヴィンテージの魅力を浮かび上がらせるという趣向だ。

Chiaroscuro【光と闇のコントラスト】帆立

Chiaroscuro【光と闇のコントラスト】帆立
帆立の白に、海苔の黒をミルフィーユ のように重ね、発酵大根の白いソースと、黒い焦がし昆布のオイルのコントラストで、視覚的にも明暗が描き出される。一番に感じたのはヨード感とミネラル。ミネラルの骨格がはっきりとしたエレガントな2008年の個性、かつピノ・ノワールとヨード感ある和食材との相性の良さを強調したペアリング。このヴィンテージは、日本料理の出汁とも相性が良さそうだ。

Untamed & Carnal【大胆で野生的】ビーフジャーキー

Untamed & Carnal【大胆で野生的】ビーフジャーキー
手で食べる一皿が触覚を解き放つ。艶かしい手触りの、生姜を効かせた和の甘辛さを感じさせる経産牛のビーフジャーキーは、フェンネルシードの香りのレイヤーが洋にシフトチェンジさせる。隣には、骨の中に入った牛肉のタルタルと骨髄のフラン、牛の脂の甘味と旨味に負けない、本能に訴えかける豊かなボディ感を浮き出させる。

Magnetic【惹きつけるような魅力】ビーツ

Magnetic【惹きつけるような魅力】ビーツ
塩釜で焼き上げてからバターソテーしたビーツは、まるでコンソメで煮ふくめたような旨味で、野菜の皿でありながら、しっかりとした味わいの前の皿に負けない骨太さ。ビーツの端の部分はソルベにして、ストロベリービネガーをかけてある。 ビーツの大地の力強いミネラルとストロベリービネガーが、このロゼに含まれるチョークのようなミネラル香と赤い果実のニュアンスを強調する。

Vibrant【躍動感あふれる鮮やかさ】鴨

Vibrant【躍動感あふれる鮮やかさ】鴨
中国料理の手法を生かし、油をかけて皮目をパリッと焼いた鴨。赤身の肉である鴨肉の血のミネラルは、特に黒葡萄と相性が良い。サイドの人参は口に入れると、多くのスパイスが語りかけ、このヴィンテージの底に眠る甘いスパイスのニュアンスを呼び起こす。

Tactile【触感】アマゾンカカオ

Tactile【触感】アマゾンカカオ
カカオそのものに発酵の酸味と赤いフルーツのニュアンスがある、アマゾンカカオ。合わせると、このドン ペリニヨン ロゼの、ベリー系の味わいが際立つ。甘さを控えることで、このロゼの繊細な味わいを損なわず、キャラメルのリボンがこのロゼのブリオッシュのようなニュアンスともマッチする。
テクスチャのあるカカオのオイルや、甘さ控えめのチョコレートを織り込んだフィユタージュとクリームが様々な食感のコントラストを奏でる。

五感を呼び覚ます「情動」ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008

5つの異なった光を当てることにより、より立体的にその姿が浮かび上がったドン ペリニヨン ロゼ。

「未知のスリル」とは自分の内側にある、本能に限りなく近い「情動」を見つける旅を指すのかもしれない。
ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008の泡と共にわき上がる、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚。五感を覚醒させるこの日のイベントは、私たちの表面を形作っている左脳的なリクツを超越し、その内側にある心をときほぐし、眠っていた情動に気付かせてくれた。それは、ある種自己との対話の時間ともいうことができたかもしれない。
自分のことは、結局自分が一番知らない。グラスを傾け、心の奥底にいる、もう一人の自分を探す。ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008は、そんな、未知の情動を呼び覚ますシャンパーニュということができるだろう。

ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008 ギフトボックス

ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008 ギフトボックス
度 数 :12.5度 / 容 量 :750ml
希望小売価格:¥53,130
お問い合わせ先:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社/03-5217-9732

text:仲山 今日子

関連記事


SNSでフォローする