揚げたての唐揚げに包丁を入れると、ザクッと衣が小気味良い音をたて、断面からはクリアな肉汁がジュワリ。細かく刻んでタレに加えたフレッシュのピーマンと赤パプリカの青い香りや食感、色合いも食欲をそそる。
そんな油淋鶏を教えてくれたのは、澤田州平シェフ。香港「福臨門酒家」で学んだクリスピーチキンを看板にした中国料理レストラン「エスサワダ」を率いて、今年1月、大阪・梅田に大衆中華をテーマにした姉妹店「サワダ飯店」を展開。「大人から子供まで誰もが好きな唐揚げを、プロの技術と仕立てでより本格的な一品にしたのが、この油淋鶏。簡単に作れるよう、サワダ飯店のレシピをアレンジしました」と話す。
ポイントは、ジューシーに仕上がるよう、溶きほぐした卵液を鶏モモ肉にもみ込む中国料理の技術。そして衣をつけて一度揚げたら5分間休ませ、余熱を利用して肉の中心まで火を通す繊細な火入れ。
さらに重要なのが、高温に熱した油を唐揚げ全体にまわしかけ、衣をサックサクにする仕上げの一手。この技術こそ、澤田シェフの真骨頂。丸鶏に高温の油をまわしかけて作るスペシャリテ、クリスピーチキンと共通する技術だ。誰もが知る唐揚げで作る料理だからこそ、軽妙な食感や繊細な火入れに歓声があがる一品だ。
RESTAURANT DATA
大阪中華 サワダ飯店
大阪府大阪市北区小松原町2-4
大阪富国生命ビルB2F
TEL 06-6948-5998
11:00~23:00(22:30LO)
不定休
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27120248/
本記事は雑誌料理王国319号(2021年12月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は319号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは、現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。