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京都・嵐山 熊彦の主人、栗栖さんに聞いた、ズバリ、日本料理

京都・嵐山 熊彦の主人、栗栖さんに聞いた、ズバリ、日本料理

編集長の野々山が、料理王国6月号(5月6日発売)の見どころを、編集こぼれ話として紹介。好評連載中のズバリ、日本料理。FOOVER料理チャンネルと完全連動した企画の舞台裏は?! 嵐山 熊彦で初夏の演出を伺いました。

「煮る」と「炊く」って、関東と関西の呼び方の違いだとずっと思っていました。料理雑誌に関わる人間としては失格ですね。還暦を過ぎてもまだまだ勉強ができる日本料理の世界って深くて面白い。
だいたい日本料理のしきたりとかしつらえとか面倒なことが多くてわかりにくい。でも京都では、それが今でに厳しく守られています。そこが京都らしさなのですね。

ズバリ、日本料理の連載は、そんなしきたりをわかりやすく解説していただこうと思って始めた企画。料理王国のYouTube番組、FOOVERチャンネルで動画の説明付きで料理やしきたりの解説を毎回、紹介しています。
嵐山 熊彦の主人、栗栖さんが説明する初夏の料理と演出は、今の時期にぴったりの内容です。ぜひ一度、ご覧ください。

さて、冒頭の「煮る」と「炊く」の違いですが、煮るは、長時間で火を入れること。炊くは短時間で火を入れることだそうです。火力を強くして炊くのは食材の味をうまく生かすため。魚の身が白いままで炊き上がります。弱火で長時間煮ると味がしっかり染み込みます。つまり、「煮る」と「炊く」はまるで違う調理法でした。

さらに具体的に言うと、今回作った鯛のあら炊きは酒と醤油、味醂で炊いていく。酒が多いので15分ほどで酒が蒸発して炊くことができる。ここで水を多く入れると煮ることになり1時間ほどで、鯛のあら煮が出来上がる。と言うことでした。

なるほど、とても面白いし勉強になりました。詳細は全て、6月号の本誌とFOOVERチャンネルでご覧ください。

左が深い陶器の鉢に盛り付けた鯛のあら炊き。右はNGの盛り付けをしたもの。
左が深い陶器の鉢に盛り付けた鯛のあら炊き。右はNGの盛り付けをしたもの。

料理が出来上がって、盛り付けをするとき、どんな器にしようか悩む時があります。ズバリ、日本料理では、盛り付けのアドバイスも行っています。

今回の鯛のあら炊きは、汁物なので冷めない様に厚手の陶器の深皿を使います。わかりやすいように、平皿の磁器に盛り付けると、冷めやすいし、まとまりにくいので見栄えも良くないと、実際、盛り付けていただきました。

ここで、蕗と牛蒡の位置が逆なのですが、これも何かの意味があるのですかと聞いたら、「単にアシスタントが間違えただけです」とのこと。ずっと気になっていたのですが、意味があるのかなと思って質問できずにいました。最後に聞けてよかったです。

霜降りとは、表面が白くなって霜が降りた様な感じになることです、とか、牛蒡の頭を残して調理する薪割りと言う手法があること、鉢物に盛り付けるときは、底の平たいところ、見込みをはみ出さないように盛り付ける、など大変勉強になることばかりを短時間に、たくさん教えていただきました。説明がわかりやすく深い。

日本料理の達人、栗栖さんが審査員を務める日本料理アカデミー主催の日本料理大賞と言うコンペティションがあります。今年のテーマは「郷土料理を新しくする」。応募締切は6月30日まで。興味のある方は日本料理大賞で検索してください。優勝賞金は100万円。FOOVERチャンネルでも紹介しています。

嵐山熊彦の「鯛のあら焚き」

【前編】
https://www.youtube.com/watch?v=3nPpcJzDn4w

【後編】
https://www.youtube.com/watch?v=iHqiZ1yyxHk

新茶の抹茶を加えた和え衣で仕立てる皐月和え。渡月橋の山々の緑が濃くなるのに合わせて、和え衣の緑も深くしていくとのこと。さすがです。
新茶の抹茶を加えた和え衣で仕立てる皐月和え。渡月橋の山々の緑が濃くなるのに合わせて、和え衣の緑も深くしていくとのこと。さすがです。
渡月橋を見下ろせる2階の大広間のしつらえ。端午の節句にちなんだ掛け軸は、鯉の滝登りでした。
渡月橋を見下ろせる2階の大広間のしつらえ。端午の節句にちなんだ掛け軸は、鯉の滝登りでした。
江戸中期から後期にかけて作られたと言う甲冑飾り。京都は旧暦で祝うので、5月末まで飾られるとのこと。
江戸中期から後期にかけて作られたと言う甲冑飾り。京都は旧暦で祝うので、5月末まで飾られるとのこと。
嵐山 熊彦の前には渡月橋が。撮影は3月下旬だったので新緑にはまだ早い感じでした。今では、緑も濃くなり観光客で溢れていると思います。
嵐山 熊彦の前には渡月橋が。撮影は3月下旬だったので新緑にはまだ早い感じでした。今では、緑も濃くなり観光客で溢れていると思います。

text・photo:野々山豊純

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